1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷 嘉明 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (90026881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都賀谷 紀宏 京都大学, 医用高分子研所センター, 助手 (50127106)
堤 定美 京都大学, 医用高分子研所センター, 助教授 (00028739)
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Keywords | レ-ザ- / 象牙質 / スメア層 / 象牙質前処理 / 接着 / 接着前処理 |
Research Abstract |
従来から用いられている各種薬剤による象牙質処理は、歯髄への刺激性の点で問題点を残している。そこでレ-ザ-照射によって、象牙細管の封鎖と表面の緻密化を発現させ、歯髄に安全でしかも接着性の点でも有効な象牙質処理法の検討を開始した。 CO_2レ-ザ-は波長が比較的長く、照射による熱効果は、象牙質表層に限局されるという大きな利点がある。しかし、導光のためにはプリズム内蔵の関節部をもったア-ムを用いなければならず、臨床での適用に制約があった。最近、フランスのサテレック社がガンタイプの小型CO_2レ-ザ-装置を開発し、臨床で使用されはじめている。そこで、この装置(レ-ザ-サットCO_2)を用いて象牙質処理を試み、SEMによる照射面の観察とレ-ザ-照射の歯髄への影響を調べるために歯髄腔内温度を測定した。 歯冠歯髄腔容積が80ulとなるように歯頸部で切断した抜去直後の4〜6才牛下顎前歯を用意し、その唇面中央部に直径5mm窩底が平坦で唇側歯髄側壁に平行で残存象牙質の厚みが1.5、2.0、2.5mmとなる円筒形の規格窩洞を形成した。温度は、銅コンスタンタン熱電対を用い、その先端が窩底中央部の唇側歯髄側壁に接するように歯冠舌側より挿入固定し、cold junction,pen recorderに接続し、室温にて測定した。defocused beamで出力密度は41、61w/cm^2とした。そして一条件につき3歯に各1回レ-ザ-を照射した。 レ-ザ-照射時の歯髄腔内温度変化は、照射開始後2〜3秒のtime lagの後、温度が上昇するが、高出力照射時は急激な上昇を示し、照射終了1〜2秒後に最高値度を示した。低出力照射時の温度上昇は緩慢で照射終了後最高温度を10数秒維持した後下降した。次年度は、レ-ザ-照射象牙質の表面特性の検討に進む予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 谷嘉明: "透明コンポジットレジンによるHIディスク接着への応用" 接着歯学. 7. 143-144 (1989)
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[Publications] 谷嘉明: "歯科における高分子の利用" 高分子加工. 38. 262-268 (1989)
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[Publications] 森岡俊夫,松本光吉編(谷嘉明分担執筆): "レ-ザ-臨床上巻" デンティスト社, 157 (1989)