1990 Fiscal Year Annual Research Report
キャスタブル・ガラス・セラミックスの補綴応用に関する基礎的ならびに臨床的研究
Project/Area Number |
01480448
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮内 修平 大阪大学, 歯学部, 助教授 (50116109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 剛郎 大阪大学, 歯学部, 教授 (20028757)
高島 史男 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50144514)
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Keywords | キャスタブルガラスセラミックス / 審美的歯冠修復材料 / 引っ張り強度 |
Research Abstract |
高度の科学技術の発達により優れた強度を有する材料の製作が可能になってきた。歯科材料としては従来より各種金属が一般に用いられてきたが、生物学的為害性や審美性に問題を有することがあるため、さらに優れた材料の開発が求められるようになってきた。それらの諸点に対応する材料として、最近キャスタブルガラスセラミックスが登場するに到った。その臨床応用は、単に歯科の分野のみならず、医学の分野に対しても幅広い可能性を有していると考えられる。しかし、このセラミックスの歯科への応用は充分とは言えず、いまだ種々の点で研究開発途上であるのが現状である。そこで、臨床における歯冠修復材料としてさらに十分な強度、適合性、審美性、生体親和性を有する鋳造可能なガラスセラミックスの開発を行うことを目的として本研究を行ってきた。 我々は、特にキャスタブルガラスセラミックスの強度面の検討として各種条件下(鋳造条件、結晶化熱処理の条件)における引張り試験を行い、同時に各種の歯冠修復用のニュ-セラミックスの引張り試験も対照として行ってきた。その結果、ある条件下においてはキャスタブルガラスセラミックスはクラウン、ラミネ-トベニアとしての臨床応用が可能ではないかと思われた。しかしながらブリッジに応用するためには引張り強さの不足などの問題点が残されており、これに対しては有限要素法を用いた応力解析プログラムによる検討を行っている。一方色調に関しても臨床応用するためには未だいくつかの問題点が残されている。 今後強度面において臨床応用を確立するためには、他の物性(圧縮、曲げ、剪断、捻りなど)に関しても検討を行う必要があり、これらの諸物性に関して有限要素法による応力解析を行うことによって、さらにそれらの結果を物性測定にフィ-ドバックさせ、最適物性を有するキャスタブルガラスセラミックスの開発を行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 宮内 修平: "マイカ・クリスタル系ガラスセラミックスクラウンに関する研究ー適合性についてー" 日本補綴歯科学会雑誌. 34. 492-500 (1990)
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[Publications] 日野 年澄: "ニュ-セラミックスのクラウン・ブリッジ臨床応用に関する力学的研究" 大阪大学歯学雑誌. 35. 240-267 (1990)
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[Publications] 六人部 慶彦: "リン酸カルシウム系結晶化ガラスCDー200,CDー203(NEG)の色調に関する研究" 第6回バイオラミクス研究発表会抄録集. 102-112 (1990)
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[Publications] Takao Maruyama: "CLINICAL USE OF A NEW CASTABLE GLASS CERAMIC MATERIAL" The International Journal of Prostho dontics.
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[Publications] 中村 隆志: "セラミックス・ピンを用いて焼成する新しいポ-セレン・ラミネ-ト・ベニアシステムについて" Quintessence of Dental Technology. 15. 947-954 (1990)
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[Publications] 姜 煕準: "ポ-セレンラミネ-トベニア修復の色調に関する研究" 歯科審美. 2. 1-8 (1990)
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[Publications] 丸山 剛郎: "ポ-セレンラミネ-トベニアの臨床応用" クインテッセンス出版, 87 (1991)
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[Publications] 丸山 剛郎: "ポ-セレンラミネ-トベニアテクニック 3.キャスタブルセラミックス法" デンタルフォ-ラム, 135 (1990)