1990 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトコ-ティングインプラントにおける緩圧機構の有効性について
Project/Area Number |
01480450
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
津留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永金 幸治 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10207988)
赤川 安正 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00127599)
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Keywords | アパタイトコ-ティングインプラント / 緩圧材料 |
Research Abstract |
前年度のIn Vitro系の実験結果より,今回緩圧材料として用いた高弾性セグメントポリウレタン(バイオトロンR)3種類のうち,弾性定数の低いBー12,Bー17では,人工唾液浸漬下での繰り返し荷重試験において,緩圧効果ならびに体積で若干の変動を認めた。これに対し,Bー25では変動は極めて軽微であった。 すでに前年度において,日本猿成猿4頭のM_1M_2P_1 P_1P_2M_1相当部の無歯顎にアパタイトコ-ティングインプラントが2本ずつ埋入されており,本年度は計画に従い,前述したIn Vitro系の実験結果を踏まえて,インプラントに上部構造物を装着し,機能圧を負荷した。その際,上部構造物は緩圧材としてバイオトロンR Bー25を組み込んだものと,緩圧材を組み込まない対照の金属製上部構造物の2種とした。 現在まで,機能圧を負荷させて8ヶ月が経過しており,週1回の定期検査ならびにブラッシングによる口腔清掃に努めている。合計16本のインプラントの中で,3本インプラント支台周囲組織には,わずかな発赤腫脹が認められるものの,すべてのインプラントは全く動揺が認められず,顎骨と強固に結合していると考えれる。また,咬合接触状態も,上部構造物に機能圧負荷を開発した時点と同様の状態を維持しており,何ら問題はない。 今後は残り4ヶ月の経過観察を行い,その後動物を屠殺し,インプラント体を含む周囲組織の非脱灰研磨標本を作製し,光顕的に観察するとともに,周囲骨組織の動態を骨ラベリング法および骨形態計測法を用いて定量的に検索する。これらの結果を総括して,アパタイトコ-ティングインプラントにおける上部構造物の緩圧機構の有効性を明確にする。
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