1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480452
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
平井 敏博 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (80014273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢嶋 俊彦 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (10018749)
昆 邦彦 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (20186844)
池田 和博 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (10193195)
越野 寿 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (90186669)
田中 収 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (40146866)
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Keywords | 咀嚼機能 / 痴呆 / 手指巧緻性 / 舌運動 / 超音波診断装置 / Motion-modulation |
Research Abstract |
咀嚼には顎口腔系全体の神経制御機構が必要であり、高齢者における歯の喪失や顎口腔系の運動機能の低下は、咀嚼機能の低下をきたすばかりではなく、その精神活動および身体活動とも関連することが推測される。そこで、札幌市内の老人病院と特別養護老人ホ-ム入所者80名、(平均年齢80.4歳)を対象として、(1)咀嚼機能:摂取可能食品アンケ-トを用いる咀嚼機能評価法により、被験者の咀嚼能力を(2)痴呆の程度:長谷川式簡易痴呆検査スケ-ルにより、記憶力の低下、計算力の低下、見当識障害の程度を(3)比握力:小児用スメッドレ-式握力計による最大握力(比握力として)を(4)手指巧緻性:簡易上肢機能検査“STEF"の小円板、小球、ピンを用いて、手指の巧緻性を調査し、各々をスコア-として算出した。そして、咀嚼スコア-とDementia scoreとの間に有意な相関(p<0.01)と認めた。また、義歯を所有していない、もしくは使用していない者の群と義歯を使用し、日常、咀嚼作用を営んでいる者の群とに分けて痴呆の程度、比握力、手指巧緻性について比較検討したところ、いずれにおいても、義歯使用者群が非使用者群に比べて有意に高い値(p<0.01)が示された。 舌の位置や運動が義歯の維持安定にも大きく関与し、その咀嚼機能に及ぼす影響は、高齢者においては特に大きいものである。このことから、汎用超音波診断装置(Motion-Modulation)と生体信号検出ユニットを用いて舌運動と聴覚への繰返し刺激を記録し、指示運動時の規則性および指示追従性、反応時間に関して検討中である。 以上の結果の一部を、第81回日本補綴歯科学会(長野)、平成元年日本補綴歯科学会東北・北海道支部会学術例会(盛岡)にて発表した。
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