1989 Fiscal Year Annual Research Report
歯周囲疾患対策を中心とした欠損歯列の長期維持法に関する研究
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01480455
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
岸 正孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 大 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (90196501)
辻 吉純 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (50207370)
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Keywords | 床隣接支台歯 / 歯周ポケットの深さ / 歯面のプラ-ク貯留度 / 床縁歯齦縁間距離 / 支台歯負担能力 |
Research Abstract |
局部的欠損歯列補綴後における残存菌の歯囲疾患を予防するためには、義歯設計に関する力学的条件に基づく支台歯の過重負担に対する配慮と同時に、残存歯周囲の衛生的な条件を管理する必要がある。ここで、義歯装着後長期にわたって残存歯の周囲を衛生的に保つためには、義歯の清掃性の向上を図ることと、患者自身によるプラ-クコントロ-ルを励行させることとが必要となる。そこで、今年度は、義歯装着後1年以上経過の可撤性義歯症例を対象として、歯面のプラ-ク貯留度および歯囲ポケットの深さに関する臨床調査を実施した。 まず、歯垢顕示薬による歯面の発色状態を基に歯面のプラ-クの貯留状態を1度より4度に分類した場合に、頬面では1度が35%、2度が53%とプラ-ク貯留度の低いものがそれらの大部分を占めている。これに対して、舌面では2度が49%、3度が45%であり、舌面では頬面に比べて1段階汚れているものによってそれらが構成されている。さらに、隣接面においては、床側隣接面では3度が63%を示し、舌面より明らかにプラ-クの貯留度が高い。これに対して、床反対側隣接面で2度が56%、3度が35%を示し、舌面よりプラ-ク貯留度が若干低いことが認められる。 さらに、義歯床に隣接する支台歯の歯周ポケットの深さの頻度については、まず、歯周ポケットの深さを1.0mm未満、1.1〜2.0mm、2.1〜3.0mm、3.1〜4.0mmおよび4.1mm以上に分類した場合には、頬側では、1.0mm未満が50%、1.1〜2.0mmが31%を示した。これに対して、舌側では1.0mm未満が17%、1.1〜2.0mmが47%、2.1〜3.0mmが22%を示し、頬側に比較してポケットの深いものの頻度が増大している。さらに、隣接側においては、床側隣接側および床反対側隣接側のいずれにおいても舌側とほぼ同等であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 冨山雅史: "義歯床基礎面の床下組織に対する機能的適合性の顕示法に関する実験的研究" 歯科学報. 88. 21-83 (1988)
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[Publications] 佐々木真澄,岸正孝,関根弘: "下顎運動デ-タ処理システムの開発" 歯科学報. 89. 681-692 (1989)
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[Publications] 佐々木真澄: "新規設定側方偏心咬頭嵌合位に対する下顎咀嚼運動の順応に関する実験的研究" 歯科学報. 89. 931-980 (1989)
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[Publications] 中山一六,嶋村一郎,岸正孝,関根弘: "義歯装着後における下顎歯槽堤粘膜の被圧による塑性変形に関する実験的研究(第2報)" 日本補綴歯科学会雑誌. 33(特別号). 68 (1989)
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[Publications] 関根弘,岸正孝,堀田宏巳,他: "弾性裏装材“エヴァタッチ"の臨床成績" 歯科学報. 89. 756 (1989)
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[Publications] 関根弘,岸正孝,堀田宏巳,松尾悦郎,他: "新開発の無刺激性裏装材“トクソ-リベ-ス"の臨床成績" 日本補綴歯科学会雑誌. 32(特別号). 82 (1988)