1990 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節の関節鏡視下レ-ザ-手術法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01480467
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Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 悦郎 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30215082)
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20185325)
山崎 安晴 山梨医科大学, 医学部, 講師 (00210401)
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Keywords | 鏡視下レ-ザ-手術 / NdーYAGレ-ザ- / 導光ファイバ- / 関節腔内病変 / 関節鏡 / double channel / 外套管法 / 蒸散 |
Research Abstract |
顎関節鏡視下レ-ザ-手術法の術式についての検討: 術式はレ-ザ-プロ-ブが関節内に挿入可能な方法であれば外套管はSingle channelものでもdouble channelのものでもそれぞれの特徴をふまえて可能である。一般的にはdouble channelの方が手技の容易さ、確実さの点から有利である結果であった。レ-ザ-により操作する顎関節腔内壁面の部位については後方腔、とくに後壁あるいは円板後縁部が対象となることが多いことからdouble channel法による有用性がさらに高いと思われる。 レ-ザ-の種類についての検討: 顎関節鏡視法に用いられるレ-ザ-はその導光法は経2.0mm以下のファイバ-等に限られることから、NdーYAGレ-ザ-に限定されてくる。YAGレ-ザ-では外経0.2mmから可能であり、先端のプロ-ベも各種サファイアチップから、直接使用法が可能であったが、とくに後者の方が作業効率が大きく、有用であった。 臨床適応例の経過:顎関節鏡視下手術にYAGレ-ザ-の適応可能な病態としては、まず線維性癒着症における腔内癒着組織、遊離組織などの蒸散による顎関節授動術、次いで習慣性顎関節脱臼をはじめとする関節の過剰運動に対する後壁、円板後縁部の瘢痕形成である。本使用法は円板前方転位などにも応用可能で、術後の開口制限処置との併用により良好な効果が期待しうる。さらに関節制動術に於てより確実な効果を得る手段としては関節鏡視下における縫合術があげられる。とくに円板前方転位に対する確実な治療法として、YAGレ-ザ-により円板後部に蒸散、新蘚創をつくり、次いで関節を縫縮し円板を後方索引するものであり、術前、後のX線二重造影像からも、確実な効果が腔内形態の変化からも確認された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節病変に対する関節鏡視下レ-ザ-手術" 日本口腔科学会雑誌. 39. 246-255 (1990)
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[Publications] 大西 正俊: "手術用関節鏡の開発ー2チャンネル外套管による関節鏡視下手術との関連について" 日本顎関節学会雑誌. 1. 209-216 (1989)
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[Publications] 大西 正俊: "鏡視下手術・顎関節" 骨・関節・靭帯. 2. 689-694 (1989)
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[Publications] Ohnishi M.: "Arthroscopic Surgery for hypermobility and Recurrent Mandibular Dislocation,Disorders of the TMJ I." Oral and Maxillofacial Surgery Clinics od North America. 1. 153-164 (1989)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節の二重造影CT法に関する臨床的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 155-164 (1989)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節の関節鏡視下レ-ザ-手術の検討" 関節鏡. 11. 7-11 (1986)
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[Publications] Masatoshi OHNISHI: "A Textbook and colour Atlas of the Temporomandibular Joint." Wolfe Medical Pub.ltd., 17 (1990)
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[Publications] 大西 正俊: "顎関節症に対する関節鏡視下レ-ザ-手術" デェンティスト社, 6 (1990)