1989 Fiscal Year Annual Research Report
in vitroならびにin vivoにおけるセメント質の脱灰ー再石灰化に関する研究
Project/Area Number |
01480484
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高木 興氏 長崎大学, 歯学部, 教授 (80005090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 浩二 長崎大学, 歯学部, 助手 (60161303)
飯島 洋一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70094860)
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Keywords | セメント質 / 脱灰 / 再石灰化 |
Research Abstract |
1.歯根面表層の脱灰条件の検討 セメント質齲蝕の再石灰化による回復を検討するために、その前提となるセメント質付着歯根面の初期齲蝕が、どのような脱灰液pHおよび脱灰時間の組み合わせで起こるのかをin vitroで検討した。 材料には、ヒト抜去歯牙の唾液に未接触の歯根を用い、歯根面を含む厚さ約150μmの切片および歯根面ブロックを試料とした。歯根表層の一部を残して耐酸性バニッシュで被覆後、pH4.5、5.0、6.0の各脱灰液に脱灰時間を変えて漬浸し、マイクロラジオグラフと偏光顕微鏡により表層の変化を観察した。その結果、セメント質付着歯根面の初期齲蝕の形成には、pH5.0では約20時間、pH6.0では約50時間を要することが明らかとなった。 2.歯根面表層の化学分析方法の検討 セメント質を含む歯根面表層のミネラル定量のために、どのような試料処理が最適なのかを検索した。現在までに、セメント質付着歯根面表層の連続脱灰条件のほか、原子吸光装置によるCa定量、リンーモリブデン法によるP定量、およびイオン電極によるF定量のための試料の前処理条件が確立された。これまでの結果から、健全歯根面の表層10μmにおいてはフッ素濃度が約600ppmであり、また、Ca/P比は表層から深層に至るまで1.7〜2.5の範囲にあることが示された。
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