1990 Fiscal Year Annual Research Report
in vitroならびにin vivoにおけるセメント質の脱灰ー再石灰化に関する研究
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01480484
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高木 興氏 長崎大学, 歯学部, 教授 (80005090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 大輔 長崎大学, 歯学部, 助手 (90146085)
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Keywords | 根面齲蝕 / セメント質 / 再石灰化 / フッ化物 / 抗齲蝕効果 / マイクロラジオグラフ |
Research Abstract |
ヒト健全小臼歯の近遠心側根面を材料として,表層約500μmを研磨削除した象牙質露出試料(象牙質群),および未研磨のセメント質付着試料(セメント質群)の2種を実験に供した。さらに,作用させるフッ化物の種類別に5群(APF,APFゲル,F洗口液,フッ化物歯磨剤,Fバ-ニッシュ),およびフッ化物を作用させない対照群の計6群を設定した。乳酸溶液による脱灰後にフッ化物を作用させ,続いて再石灰化液に計14日間浸漬し,ミネラル量の変化をマイクロラジオグラフ(消耗品費充当)と連続脱灰法で評価し,以下の結果を得た。実験に併行して,本課題に関連する学会に出席し,情報収集ならびに実験方法に関する意見交換を行った(旅費充当)。 1.マイクロラジオグラフで評価した結果,再石灰化後の表層約80μmまでのミネラル量(Vo1.%)は,対照群では約12%,フッ化物作用群では14〜60%の増加をそれぞれ示し,とくにAPFおよびF洗口液処理群で著しい増加を認めた。ただし,同一処理を行ったセメント質群と象牙質群の間では再石灰化後のミネラル量に明らかな差はみられなかった。分散分析によれば,セメント質群では再石灰化14日後,象牙質群では再石灰化7日後と14日後において,フッ化物の違いがミネラル量に影響する要因として有意であった。 2.セメント質群について連続脱灰法を適用した結果,表層20μmまでの歯質中フッ素濃度は,脱灰直後約1000ppmに対し,再石灰化後は,対照群で約7000ppm,フッ化物作用群では約8500〜18000ppmの範囲にあり,フッ素濃度は作用させたフッ化物によって差を認めた。一方,フッ化物処理群における深さ約60μm部のフッ素濃度は,APF群が約7000ppmであったが,その他は対照群と同程度(約1000ppm)の成績を示した。
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Research Products
(1 results)