1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480485
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
松久保 隆 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (90112804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 由一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20211097)
田崎 雅和 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40155065)
高江洲 義矩 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60048303)
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Keywords | 食品 / 咀嚼性 / 食品物性 / 下顎運動速度 / 咀嚼指数 / 上下顎歯牙接触面積 |
Research Abstract |
本研究は、食品の咀嚼性の評価方法や個人の咀嚼性を解析するための指標食品を得ることを目的としている。 今期の課題は、下顎運動解析から得られる情報が、食品の咀嚼中の状態変化を捉らえることが可能がどうかを検討することとした。 咀嚼筋筋活動電位の結果が異なる女性1名および男性1名を被験者とした。被験食品は、物性の異なる7種の食品、すなわち、蒲鉾、フランスパン、するめ、もち、ガムゼリ-、キャラメル、にんじん(生)とし、咀嚼直前に一口大に切り、被験者に咀嚼させた。下顎運動の測定はサホン・ビジトレナ-MODEL3を用い、解析は、顎運動速度と運動距離によった。とくに、今回は、下顎運動速度の各咀嚼サイクルの開口から閉口までを1単位として分解したものを各パタ-ンに分け、解析を用いた。 下顎運動速度の咀嚼サイクルは、8被験食品でUからZの6種のパタ-ンに分類できた。すなわち、Uは開口および閉口時に食品の影響を著しく受けるもの、Vは閉口および閉口時にとくに影響をうけるパタ-ン、Wは閉口時にとくに影響をうけるパタ-ン、Yは開口時にとくに影響をうけるパタ-ン、Xは人参の摂取初期に認められるパタ-ン、Zは開口および閉口時ともにほとんど影響をうけないパタ-ンであった。 キャラメルはU→V→Y→Z、グミキャンディはV→W→Y→Z、もちおよびパンはW→Y→Z、するめはW→Z、蒲鉾はW→Z、ニンジンはX→Zであった。下顎運動速度の各咀嚼筋活動量との間にはっきりした関係は認められなかった。 これらの結果は、下顎運動速度の各咀嚼サイクルの測定は、咀嚼中の食品の物性変化を表わすものとして間接的であるが1つの重要な情報が得られる方法であると考えられた。また、個人の咀嚼能力を示す食品の選択にも採用できる可能性をもつと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsukubo,T.,et al: "Electromyographic measureーment of textural changes of foodstuffs during chewing" Argic.Biol.Chem.53. 2421-2433 (1989)
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[Publications] 松久保 隆,他: "成人を対象とした食品摂取時の咀嚼筋活動量とその他の機能因子との関係について" 口腔衛生学会雑誌. 39. 644-645 (1989)
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[Publications] 松久保 隆,他: "筋電図測定による食品咀嚼中の経時的変化の評価について" 口腔衛生学会雑誌. 40. 258 (1990)
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[Publications] 松久保 隆: "食品の歯科疾患誘発要因の評価に関する研究" 歯科学報. 90. 987-1001 (1990)
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[Publications] 柚木 浩子,他: "ヒト歯垢pH測定によるパラチノ-スおよびマルチト-ル使用チュ-インガムの酸産生能の評価" 口腔衛生学会雑誌. 41. 94-104 (1991)
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[Publications] Takahashi,Y.et al: "Epidemiological analysis for the influences of plaque and calculus deposition on prevalence of pocket formation" Dentistry in Japan. 27. 155-160 (1990)