1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480498
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 信夫 北海道大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20001852)
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Keywords | X染色体 / マウス / 不活性化 / 核タンパク質 / 遺伝子クロ-ニング |
Research Abstract |
マウスECC株C86S1A1のサブクロ-ンMC12では2本のX染色体のうち1本が不活性化している。C4はMC12より分離した、不活性X(Xi)が再活性化したクロ-ンである。MC12とC4はX染色体の活性状態以外は差がないと考えられる。我々は、両細胞の非ヒストンタンパク質を比較し、MC12特異的成分を検出した。これらはX染色体不活性化(XCI)に関わっていると想定し、コ-ドする遺伝子のクロ-ニングを試みた。両方の細胞より32P標識cDNAプロ-ブを用意しMC12のcDNAライブラリ-のスクリ-ニングを行い、MC12に特異的に発現しているクロ-ン12を得た。インサ-トは約300kbで、2.5kbのmRNAとハイブリダイズした。完全なcDNAを得るためクロ-ン12でcDNAライブラリ-を再スクリ-ニングして、約2.5kbのインサ-トを持つクロ-ン121aを得た。このcDNAは、完全なものから5'端の約20bpを欠いたものであった。121aは、335個のアミノ酸からなるタンパク質をコ-ドしているらしいが、ORFと相同性のある配列は最近のデ-タベ-スにも見いだされない。ORFの後には1kb以上の翻訳されない領域(3'UTR)があった。121aタンパク質のN末端には、疎水性アミノ酸が30残基ほど続き、グリコシレ-ションサイトが1個あるので、分泌型あるいは膜付着型糖タンパク質かもしれない。3'UTRには75bpのラットbrain identifier配列と76%の相同性を示す領域が含まれていた。121aとXCIの関わりはXiが活性化したMC12由来の2クロ-ン(MC12HR,1C1ー3)で調べた。意外にもこれらは121aメッセ-ジをMC12と同程度発現していた。また、体細胞での121aの発現を13.5日目胚で測定したが、雌雄間に差は認めなかった。12.5日目胚のin situハイブリダイゼ-ションにより心臓、終脳、ラトケ嚢、体節に強い121aの発現を検出した。121aはXCIに直接関与する遺伝子ではないらしい。しかし、胚での広範な発現はこの遺伝子の重要性を示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takahashi,I.,Ueda,T.,Kameoka,Y.,Abe,K.,Takagi,N.,Hashimoto,K.: "Construction of a DNA library enriched with mouse 4^X chromosome of T(X;4)37H translocation" Development,Growth and differentiation. 32. 321-327 (1990)
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[Publications] Takagi,N.,Abe,K.: "Detrimental effects of two active X chromosomes on early mouse development" Development. 109. 189-201 (1990)
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[Publications] Matsushime,H.,Jinno,A.,Takagi,N.,Shibuya,M.: "A novel mammalian protein kinase gene (Mak) is highly expressed in testicular germ cells at and after meiosis" Molecular and Cellular Biology. 10. 2261-2268 (1990)
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[Publications] Abe,K.,Takagi,N.,Naiki,M.,Sasaki,M.: "A new monoclonal antibody that recognizes 180kDa polypeptide expressed on early mouse embryos and mouse embryonal carcinoma cells" Development,Growth and Differentiation. 32. 599-608 (1990)
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[Publications] Shao.C.,Takagi,N.: "An extra maternally derived X chromosome is deleterious to early mouse development" Development. 110. 969-975 (1990)