1989 Fiscal Year Annual Research Report
コケイン症候群細胞における欠損因子の分離及びその機能解析
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01480499
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山泉 克 熊本大学, 医学部, 教授 (70107093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 宜之 熊本大学, 医学部, 助手 (50040572)
菅野 辰生 熊本大学, 医学部, 助手 (00211300)
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Keywords | コケイン症候群 / コケイン細胞欠損因子 / 体細胞遺伝学 |
Research Abstract |
(1)CS細胞欠損因子の性質。A群、B群CS細胞を融合させ、紫外線照射後のRNA合成能回復の時間経過を調べた所、16時間後から回復することが判った。この結果を考慮して、正常細胞抽出液中に含まれるCS因子の検出には抽出液をCS細胞に注射して24時間後のRNA合成能の回復を^3Hーウリジンの細胞への取り込みで調べることとした。これらの活性は種々の細胞より検出されたが、細胞ごとに活性の強さが異なり、抽出液中のタン白分解酵素量の差を反映しているものと考えられた。抽出液中の活性量は紫外線前処理により変化しないこと、上記細胞融合での相補性試験でも予め紫外線処理したCS細胞を融合させてもRNA合成回復の時間経過が変化しないことから紫外線による誘導はないものと思われる。B群欠損因子はA群欠損因子に比べて矢活しやすい。いずれの因子も核内に存在するタン白である。また細胞1個当りに含まれる量を抽出液の希釈によるエンドポイント法で概算してみた所、ほぼ必要量しかないことが判った。このことはヘテロ個体の紫外線感受性が中間値を示すことを説明しているように考えられる。また正常細胞、A群XP細胞とCS細胞との融合では、融合後8時間目からRNA合成能の回復が認められることから、A群及びB群CS細胞中で合成されているB群及びA群CS因子はこれらの細胞内では不安定であるが融合により両者が会合すると安定化する可能性が示唆された。(2)B群XP細胞欠損因子。B群XP患者は、XPとCSを併発するめずらしいケ-スで、1因子由来か2因子由来か興味深い。マウス腹水癌細胞の核抽出液中にはXPとしてのこの細胞の欠損を相補する因子が含まれる。この因子はタン白性で比較的安定性が高い。このものは陽イオン交換体に結合し、ゲル濾過による推定分子量は約600KDaであった。この因子がCSとしての欠損をも相補するかどうか現在検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Yamaizumi: "Defect of excision repair of active genes in Cockayne syndrome cells" Science.
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[Publications] M.Yamaizumi: "Correction of defects in Cockayne syndrome cells by microinjection of normal cell extracts" Mutation Research.