1989 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナ-ゼCのダウンレギュレ-ションにおけるカルシウムプロテア-ゼの作用
Project/Area Number |
01480526
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 紘一 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 部長 (80011948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎森 康文 東京都臨床医学総合研究部, 研究員 (60160389)
大野 茂男 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (10142027)
秋田 朗子 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部, 研究員 (40124432)
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Keywords | カルシウムイオン / プロテインキナ-ゼC / カルシウムプロテア-ゼ |
Research Abstract |
ラット線維芽細胞3Y1およびCOS細胞にプロテインキナ-ゼC(PKC)のcDNAを発現させ、細胞をホルボ-ルエステルTPA,PDBμなどで刺激したときに発現したPKCがとる挙動を検討した。 まずPKCαを発現させる系を使い、基礎的な実験を行った。αを発現した細胞をTPAで刺激すると、細胞質のαは膜に移行し、次いで消失した。すなわち、培養細胞でin vivo系が再現できた。点突然変異で失活させたαを発現させると、αの膜への移行はおこらなかった。膜へ移ったαはリン酸化されていたが、不活性なαはリン酸化がみられなかった。PKCは細胞質から細胞膜へ移り、リン酸化された活性型のPKCのみがダウンレギュレ-ションでプロテア-ゼにより分解される。α以外の他のPKCβI,βII,γについてもTPA処理で膜への移行とダウンレギュレ-ションがみられた。 次にPKCが膜へ移行する条件を調べた。PKCを発現させた細胞をホモジナイズし、種々の因子を加えてPKCの局在を険討した。PKCの転移はカルシウムには依存したが、ホルボ-ルエステルには無関係であった。我々はPKCとよく似た新しいプロテイレキナ-ゼnPKCを見出したが、(εと呼ぶ)これがPKCと同様に転移、活性化、ダウンレギュレ-ションをおこすか否かを調べた。εも細胞膜に移行し、PKCと全く同様に活性化され、ダウンレギュレ-ションを受けた。ただしnPKCεの活性はホルボ-ルエステル、ジアシルグリセロ-ルおよびリン脂質に依存するが、カルシウムに依存せず、膜への転移もホルボ-ルスエステル依存性、カルシウム非依存であった。 引続きこのPKCの発現系を使ってPKC、nPKCのダウンレギュレ-ションを引きおこすプロテア-ゼの作用と、ダウンレギュレ-ションの生理機能の解明を行っている。
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[Publications] Akiko Hata: "Tandemly reiterated negative and positive enhancer elements regulate transcription of a human gene for the large subunit of calcium-dependent protease" J.Biol.Chem.264. 6404-6411 (1989)
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[Publications] Akiko Hata: "Derect evidence that the kinase activity of protein kinase C is involved in transcriptional activation through a TPA-responsive element." FEBS Letters. 252. 144-146 (1989)
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[Publications] Hitoshi Wada: "Cell-type specific expression of the genes for the protein kinase C family:Down regulation of mRNAs for PKC alpha and nPKC epcilon upon invitro differenciation of a mouse neuroblastoma cell line 2a" Biochem.Biophys.Res.Commun.165. 533-538 (1989)
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[Publications] Yoshiko Akita: "Expression and properties of two distinct classes of the phorbol ester receptor family,four conventional PKCs and a novel protein kinase C." J.Biol.Chem.265. 354-362 (1990)