1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480550
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小屋 二六 東邦大学, 医学部, 教授 (40057592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯倉 洋治 国立小児医療研究センター, 免疫アレルギー研究部, 部長
笹本 明義 東邦大学, 医学部, 助手 (20187149)
斉藤 誠一 東邦大学, 医学部, 助手 (90186940)
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Keywords | 小児アレルギ- / 易感染傾向 / ADCC活性 / NK活性 / 小児喘息 / 食物アレルギ- / アトピ-性皮膚炎 |
Research Abstract |
易感染傾向を有する気管支喘息児、アトピ-性皮膚炎児について細胞性免疫能の指標となるADCC活性、NK活性を測定した。対象は気管支喘息、アトピ-性皮膚炎あるいはその両者を合併する206名、平均年齢は6.1±4.3歳、このうち臨床的に易感染傾向を有するものは46%であった。コントロ-ル群として健康児21名と比較した。ADCC活性、NK活性の測定は ^<51>Cr遊離法によって測定した。結果、コントロ-ル群のADCC活性は、62.4±11.7%、NK活性は36.2±12.3%であり、易感染傾向を有するアレルギ-疾患児全体で比較した場合には有意な低値は示さなかったが患者群で低い傾向を示した。そこで、易感染傾向を示す重症喘息児29名と比較すると患者群のNK活性は27.7±14.8%で有意な低値を示していた(P<0.05)。さらに重症食物アレルギ-が関与する重症アトピ-性皮膚炎児31名と比較してみると、ADCC活性は49.0±19.1%、NK活性は27.0±13.5%とともに有意に低値を示した(P<0.05)。このことからADCC活性、NK活性の測定は易感染傾向を有するアレルギ-疾患児の良い指標となると考えられた。次にこうした易感染傾向を有するアレルギ-疾患児の治療としては症状に対する対症療法と免疫補充あるいは免疫賦括療法が考えられる。今年度は重症食物アレルギ-が関与するアトピ-性皮膚炎児9名に経口でヒスタミン分画を含まない分子量5000〜10000ダルトンのトランスファ-・ファクタ-を投与した。その結果、皮膚症状の著明な改善とリンパ球表面抗原CD4/CD8比の低下、ADCC活性、NK活性が低値を示していた症例で活性の上昇が認められた。 今年度は易感染傾向の指標としてADCC活性とNK活性が有用であるかとがわかり、さらにこうした症例に対しては以前より免疫賦括作用を有するといわれているトランスファ-・ファクタ-が効果を示すことがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akimoto,K.,Iikura,Y.: "Sea water therapy for children with severe atopic dermatitis." Jikeikai Medical Journal. 37. 397-405 (1990)
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[Publications] Akimoto,K.,Iikura,Y.: "The results of sea water therapy on children with atopic dermatitis" The Japanese Journal of Pediatric Allergy and Clinical Immunology. 4. 96-100 (1990)
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[Publications] 飯倉 洋治: "アトピ-性皮膚炎の免疫グロブリン" 日本小児皮膚科学会雑誌. 9. 162-167 (1990)