1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01490024
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 剛史 兵庫県立姫路循環器病センター, 救急救命センター長
佐久間 一郎 東京電機大学, 理工学部, 助手 (50178597)
宮下 収 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (20120123)
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Keywords | 遠心ポンプ / 血液ポンプ / 負荷特性 / スクロ-ル運動 |
Research Abstract |
本年度は(1)ポンプ容器駆動部の安定化、(2)ポンプの基礎特性の解析の2点を目的として研究を実施した。 ポンプ駆動部の容器支持部にはポンプ容器が公転回転することにより生ずる時間的に変動する慣性力が加わる。この力による振動等を抑え、ポンプ容器を安定して運動させめために、ボ-ルベアリングにより3点で支持されるポンプ容器取り付け台を、スライダクランク機構にて運動させるポンプ容器駆動部を試作した。また誘導電動機をインバ-タ制御することにより、安定した回転数制御を行うことを可能とした。 この試作駆動部を使用して種々のポンプ特性を実験的に調べた。ポンプ容器には直径63mmの円形容器内側に変形可能な膜を張り、容器上部(下部)内壁と膜の間に空気室を持たせた容器を使用した。空気室を容器上部に置いた場合、下部に置いた場合の2種類の容器について検討を行った。空気室を上部に有する容器が、流量、圧力ともに他方より大きな値を得ることが実験により確認された。生理的食塩水を使最した実験では、無負荷、公転回転数750rpmで、1.05L/minの流量を得ることができた。またポンプ出口側に負荷をかけると流量は漸減したが、容器公転回転数が750rpmの場合、負荷900mmH_2Oに抗して、流量約0.5L/minを得ることが可能であった。また、血液とほぼ同等の粘性を有する50%グリセリンを含む生理的食塩水を使用して同様の実験を行ったが、粘性の小さな液体の場合と比較して、約60%の流量を得ることが可能であった。血液を無負荷で駆出した場合もほぼ同様な傾向が観測された。一方、流量波形を電磁流量計で測定したところ液体の流れは連続流ではなく容器回転に対応する断続流であることがわかった。また若干の逆流も観察された。血液を使用した際のポンプ特性、逆流特性等については次年度以降、改良を加え検討する。
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