尺八の基礎資料収集とデ-タベ-ス構築の試案(国内・国際的利用に供するために)

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01510032
• Research Institution: Osaka University of Arts
• Principal Investigator: 月渓 恒子 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (80073261)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 瀬山 啓 大阪芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 ; 志村 哲 大阪芸術大学, 芸術学部, 専任講師 (60226264) ; 山口 修 大阪大学, 文学部, 教授 (20061583)
• Keywords: 尺八 しゃくはち / 古管尺八 こかんしゃくはち / 一節切 ひとよぎり / 尺八古典本曲 しゃくはちこてんほんきょく / 楽器構造 がっきこうぞう / デ-タベ-ス / 普化宗 ふけしゅう / 八雲本陣 やくもほんじん

Research Abstract

平成3年度の研究計画に添ってその研究実積をまとめる。
1.文献図書のデ-タベ-ス構築;多様な尺八関係文献図書資料を書誌的情報より分析し、尺八研究全般に有効な分類整理のあり方を検討した。それをもとにデ-タ構造、検索項目をさまざまに設定した試行版デ-タベ-スを設計し、サンプル入力とともにその実用性を検討した。実行の範囲は「尺八関係文献資料リスト」を中心とした。八雲本陣調査で得た新たな資料も逐次参照したが、これを含めたデ-タベ-ス化までは届かなかった。
2.尺八曲目のデ-タベ-ス構築;曲目においては、すベての曲種に共通する検索項目を立てることが困難なため、「尺八古典本曲」「尺八近代曲」「尺八現代曲」の3曲種に分けて考察した。手順としては、(1)曲種ごとの曲目一覧表作成、(2)検索内容の検討とサンプル入力である。600曲を越す現代曲の一覧表については、松下鈞氏(国立音楽大学)、ホアキン・ベニテズ氏(エリザベト音楽大学)の協力を仰いだ。
3.八雲本陣記念財団所蔵の楽器資料(尺八・一節切)調査;過去2ヵ年の調査でもっとも手薄であった楽器資料調査に焦点をあてて、楽器の計測、スケッチ,外観特徴の記述、写真撮影(全体および部分)、吹奏時のピッチ測定、吹奏時の特徴の録画などをおこなった。今年度の調査(4次、5次)で、古管尺八および一節切のすベてと、木幡吹月製作の主要尺八管の調査記録作業が完了した。
4.研究成果報告書作成;3ヵ年のまとめとして、つぎの3部構成にて報告書を編集中である。
(1)資料調査の方法と実験ー八雲本陣を事例として(2)デ-タベ-ス構築の試案(3)『尺八研究ハンドブック』作成に向けて

Research Products

• [Publications] 月溪 恒子: "音楽のエスニシティ" 谷村 晃,山口 修,畑 道也(編) 勁草書房『音は生きているー芸術学フォ-ラム6』. 275-286 (1991)
• [Publications] 徳丸 吉彦・月溪 恒子・山口 修: "音楽における情緒的行動ー楽器と身体の関係についての比較文化的研究ー" 第1回(平成2年度)研究報告集(財 ロ-ムミュ-ジックファンデ-ション). 36-46 (1991)
• [Publications] TUKITANI Tuneko et al.: ""The syakuhati:the istrument and its music,change and diversification".(2nd version)" Contemporary Music Review.
• [Publications] 月溪 恒子: "尺八類 概観" 『図説 日本の楽器』 東京書籍.