1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510050
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
氏森 英亜 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10015448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 宗弘 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80015437)
堅田 明義 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60015435)
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Keywords | 自閉症児 / 言語・認知 / 心理臨床 / 社会的行動 / 個別指導 / 集団指導 |
Research Abstract |
自閉症児の治療的教育においては、損なわれている認知機能を軽減なしい発達させる指導を考えることが重要であると思われる。 本研究は示範法・プロンプト法・強化法を併用した個別・集団指導を自閉症児症例に実施して、自閉症児における認知機能や社会的行動の発達ないし促進を試みることを目的とした。 平成3年度は、前年度までの研究計画に基づいて、新たに生活年齢(CA)6〜15歳の自閉症児5例および同一CAの精神遅滞児5例を加えて継続指導を行った。また,本年度が最終年度にあたるために,3年間の研究結果をまとめて研究成果の報告書を作成する作業を行った。 幾つかの基礎的実験の結果から、自閉症児においては言語音と文字の連合(聴覚ー視覚クロス・モダリティ)が形成されにくいために、視覚・運動的な手がかりの存在を考慮した教材およびそれによる指導を考察することが重要であり、それによって課題への注意が持続し、かつ課題遂行に関する動機づけが促されることが示唆された。また、弁別や記憶課題においても,それらの要因が有効に機能することが示唆された。話しことばの指導においては、離散型およびフリ-オペラント型のオペラント指導を症例に合わせて適宜併用することが臨床的には有効であることが考えられた。さらに、役割行動のトレ-ニング効果は、ル-ル行動の発達において認められたが、社会的行動スキルの学習に関しては症例によって相違をみた。今後、指導方法や場面の構造化に関する研究を深める必要があると考えられる。なお、自己刺激・自傷行動の発生メカニズムに関する研究については、時間的制約から資料収集・分析途中の段階に止まった。今後に残された課題として検討を続ける。
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