1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510054
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
梅澤 章男 福井大学, 教育学部, 助教授 (70151925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (20000086)
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
三橋 美典 福井大学, 教育学部, 助教授 (20157556)
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Keywords | リラクセィション / 学習プロセス / 認知 / 動作 / 生理心理学 / 筋電図 / 認知的方略 |
Research Abstract |
リラクゼィションは健康科学、行動医学における重要な研究課題でありながら、臨床研究が先行し、それを支える基礎研究が乏しいという現況にある。特にリラクゼィションの獲得プロセスに関するモデル研究は乏しい。リラクゼィションスキルの獲得プロセスをモデル化するためには、臨床研究をシミュレ-ト出来るような基礎研究パラダイムを開発することが必要である。本研究の目的はリラクゼィションスキル獲得の認知的、身体的プロセスのモデル構成にある。方法論を中心にした本年度の研究成果を以下に列記する。 (1)基礎研究で用いるリラクゼィション課題が備えるべき条件として、(1)覚醒レベルの低下を妨げること、(2)健常者でも習得に時間を要すること、(3)学習者がプランや方略を表出しやすいこと、(4)獲得プロセスを定量的に追跡できること、の4条件が必要である。以上の条件を満足する課題として野口体操を課題に導入することを試みた。野口体操の中で肩から腕の弛緩体操である「腕ブラ」、「肘下ブラ」を課題として、健常者を対象とした5日間の訓練実験を行った。その結果、腕ブラが適切な難易度の課題であることが判明した。 (2)腕ブラ課題において動きに滑らかさのある被験者とそうではないものの筋電図を比較した結果、後者に顕著な筋放電が認めた。本研究が試みている動きによるリラクゼィション研究の適切さを示唆する結果である。 (3)リラクゼィションの概念には専門家の中でも混乱が認められる。Drowsy状態をリラクゼィションに含めるものと除くものがいる。はたしてこうした概念の専門家の中だけで生じているのであろうか。この点を明らかにするための質問調査を作成し、予備研究を行ったが。大学生の中でも概念の混乱があることが示された。現在質問用紙改訂の作業を研究分担者野嶋を中心として行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 梅澤章男: "リラクセィションスキル獲得プロセスの研究-研究の現況と展望-" 福井大学教育学部紀要. 39. 203-216 (1989)
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[Publications] 梅澤章男: "リラクセィションスキル獲得プロセスの研究(1)-身体の動きを用いたリラクセィション課題の設定-" バイオフィ-ドバック研究. 17. (1990)
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[Publications] 村田正樹: "リラクセィションスキル獲得プロセスの(2)-筋の調整スキル習熟と筋感覚の尺度構成との対応について-" バイオフィ-ドバック研究. 17. (1990)
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[Publications] 梅澤章男: "リラクセィションスキル獲得プロセスの研究(3)-野口体操を課題にしたリラクセィション-" 日本心理学会第53回発表論文集. 474- (1989)
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[Publications] 梅澤章男: "シンポジウム「リラクセィション-異なる技法とその効果の特色-」リラクセィションの基礎研究" 日本心理医療諸学会連合(UPM)第2会大会抄録集. 13- (1989)
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[Publications] 堀忠雄,斉藤勇(編),梅澤章男: "脳と心のトピックス100第1章心のリラクセ-ション(1頁〜23頁担当)" 誠信書房, 234 (1989)