1989 Fiscal Year Annual Research Report
非言語的コミュニケ-ションの効果研究(援助場面を中心に)
Project/Area Number |
01510066
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
工藤 力 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40030415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 正之 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (30135769)
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Keywords | 非言語的コミュニケ-ション / 援助行動 / 欺瞞 / 視線行動 |
Research Abstract |
1.VTRによる「NVC(NonーVerbal Communication)感受性テスト」の作成 本研究では、まず第1の目的であるNV行動への感受性を捉えるためのテスト作りに取り組んだ。最終的に、10場面を「NVC感受性テスト」の刺激状況として採用した。このテストは、工藤がすでに作成した「姿勢判断テスト」や他の社会的スキルを測定しうる尺度を手がかりに検討した結果、妥当性の高いテストであることが分かった。テストの信頼性については、今後検討を重ねる予定である。 2.援助要請行動に見られるNV行動を検討する実験室実験 援助要請行動にともなうNV行動の特徴を明らかにするために、援助を要請された者のNV行動を捉える実験を実施した。男女152名の被験者は、5人1組で作業するように求められた。作業は職業適正検査への回答であった。作業の途中で一人のサクラが部屋に入り、道案内を求めた。案内のためには作業を中断し、席を立たねばならなかった。サクラの入室から被験者の1人が席を立つまでの一部始終がVTRで録画された。援助者や非援助者の、視線行動などのNV行動が分析された。その結果、非援助者は、援助者に比べて、「サクラを見る」「他の被験者を見る」の積極的視線行動と「下を向く」などの消極的行動が、ともに有意に活発であることが明らかにされた。 3.欺瞞の非言語的手がかりに関する実験室実験 援助要請行動の実験に関連して、偽りの発言をする場合と、真実を発言する場合とで、発言者のNV行動がどのように異なるかを実験的に検証した。その結果、欺瞞のNV手がかりとして、うなずきが多くなること、発言時間が長くなること、発言の始発時間が長くなること、微笑みが多くなること、そして首捻りが多くなること、が見いだされた。
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