1991 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期における対人認知機能と言語機能との相互連関に関する発達心理学的研究
Project/Area Number |
01510083
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
中島 誠 佛教大学, 教育学部, 教授 (70026681)
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Keywords | 幼児期 / 先生に対する認知の発達 / 友だちに対する認知の発達 / 自分に対する認知の発達 / 言語発達 |
Research Abstract |
平成元年度、幼稚園の3歳児数名(男児女児を含む)を選び、8ミリビデオを用いて、自由遊びの場面と先生とのやりとりの場面とを録画・録音。3歳児は、家庭生活から離れて、始める集団生活に入るときである。担任は、ひとりひとりの子どもと、1人対1人の場をつくり、子どもの好きな遊びをいっしょにしてあげることが大切である。子どもは、先生と仲よしになると、遊びを工夫し、先生とのことばのやりとりを楽しむ。先生と自分に対する情動的認知の発達が言語発達の基盤となる。 平成2年度、前年度と引き続き、同じ子どもについて、4歳児として8ミリビデオで記録する。1学期には同じ団地からの子どもたちのリ-ダ-格となって元気に遊んでいた子どもが、2学期中ころから、ひとりでしょんぼりしているようになった。これは、それまで、親や家族の人とのかかわりで自分の世界を作っていたのが、4歳児になって友だちとのかかわりが発達し、多くの友だちとのかかわりを可能にするために、自分の世界をより大きいものに作りかえようとしており、そのために多大のエネルギ-を必要とし、一時的に退行現象をおこしたのだと考えられる。担任には、その子どもと1人対1人の場を1日に1回はもち、子どもの気持をよく聞いてやること、家庭でも母親が1日に1回はその子どものお相手をしていただくこと、をお願いした。父親が協力的で、お正月休みに、家庭全員でカルタ取りやトランプ遊びをしてくれた。3学期の中ころから、友だちと遊べるようになった。仲良しの友だちができると、どうやって楽しく遊ぶかを工夫し、ことばのやりとりをしながら、遊びを発展させていく 平成3年度ひきつづき、同じ子どもを、5歳児として記録。グル-プで、他にクラス全体で、友だちと話し合い、協同の製作や集団の遊びを発展させる。対人認知の発達が言語発達の基盤となる
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Research Products
(2 results)