1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510088
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Research Institution | Toyo Women's College |
Principal Investigator |
水野 節子 東洋女子短期大学, 教授 (50141247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 信 東洋女子短期大学, 講師 (20207195)
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Keywords | 言語情報 / 概念 / 想起 / カテゴリ概念 / 文意 / テ-マ |
Research Abstract |
実験Iでは抽象対具象のカテゴリ概念の想起に及ぼす影響を検討し、実験IIにおいては文意、テ-マなどのより広い意味での概念が各単語の想起に及ぼす影響を検討し、言語情報の記憶に及ぼす種々の概念の影響について検討した結果、以下の事実を明らかにした。カテゴリ概念の想起に及ぼす影響については、単一カテゴリ内の各単語の想起と属するカテゴリに統一性をもたない単語群の想起とを比較した結果、再生においてはカテゴリ概念が想起を増大する傾向がみられた。再認において正答を示すHit:False alarmの比率は約2:1であり、「無し」と正しく答える方が難しい。また文意及びテ-マの想起に及ぼす影響については、文意及びテ-マの想起に及ぼす影響は再生及び再認のいずれの方法においてもほぼ同様の傾向を示し、統一的なテ-マをもたない複数の文章の想起は統制条件であるランダムな単語群よりも想起し難く、統一的なテ-マをもった文章群の場合にはとくに再生に際して高い想起を示している。さらに各文章の内容を最もよく表すと思われる重要語句を指定し、これらがどの程度想起されるかを検討した結果、統一テ-マ条件の方が複数文よりも再生、再認ともに重要語の想起が優れていた。また再生されない重要語であっても再認においては正答が得られており、このような重要語は想起おいて大きな役割をもっと思われる。
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