1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510091
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
高田 孝二 (財)実験動物中央研究所, 精神薬理部, 主任研究員 (70100930)
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Keywords | 不安 / 不安惹起物質 / 薬物弁別 / アカゲザル / βCCE / ドハ・ミン系神経伝達 |
Research Abstract |
不安の発現メカニズムを動物で検索する目的で、成熟アカゲザル4頭を用い2レバ-選択餌強化事態で不安惹起物質類縁化合物であるβCCEと溶媒との間に弁別行動の形成を試みた。実験では、食餌制限を施したサルをモンキ-チエアに固定して左右2個のレバ-のついたオペラント実験箱に入れ、初めにレバ-ひとつを取り外した1レバ-条件でfixed ratio(FR)30で反応が安定するまでレバ-押し訓練を行い、ついで2レバ-を条件で弁別訓練をおこなった。ここでは、2頭についてはセッション開始前の投与(皮下)がβCCEであった場合は右側の、シャム投与であった場合は左側のレバ-押し反応に対しFR30で餌ペレットを与え、他の2頭についてはこの随伴性を逆にした。この結果、先に塩酸塩で弁別を試み、その後free baseにかえて用量を上下した2頭については訓練用量を0.56mg/kgとしたところ約20セッションで弁別が認められ、その後用量を0.18mg/kgに減じた。他の2頭については訓練用量を上下させながら最終的に0.18mg/kgとし、最終的に1頭では54セッション、残りの1頭では131セッションで弁別を形成した。 これらのサルに般化テストを行なったところ、0.18mg/kgのβCCEの効果は0.032mg/kgないし0.056mg/kgで消失すること、また効果持続時間は2時間ないしそれ以上であることがわかった。さらに、ドパミンアゴニストのアポモルヒネやアンタゴニストのハロペリド-ルが低用量でβCCEに部分般化する場合があること、またこれらの薬物が般化用量以下でβCCEの効果を増強することを示唆する結果を得た。これらのことから、βCCE弁別刺激効果発現にはドパミン系神経伝達が間接的に関与していることが考えられた。
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