1991 Fiscal Year Annual Research Report
教員文化の社会学的・社会史的研究ー教員文化の日本的特質とその現段階の解明
Project/Area Number |
01510100
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Research Institution | Grant-in-Aid for Scientific Research (C) |
Principal Investigator |
久冨 善之 一橋大学, 社会学部, 教授 (40078952)
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Keywords | 教員文化 / 教員社会 / 教員仲間 / バ-ンアウト / 学校五日制 / 教師の意識 / 教員文化の日本的特質 |
Research Abstract |
戦後日本の教員文化の展開について、新制中学校を中心にインタビュ-を続けたが、そこから戦後の三つの時期を区分するに至った。即ち、 (1)、新学制定着期(〜1959年) (2)、教育機会拡大期(1960〜1975年) (3)、教育間題噴出期(1975年〜) である。そのそれぞれに対応して、学校社会・教員社会の性格も変化し、日本の教員文化も、いくつかの変化をとげてきている。とりわけ、1975年以降の「閉じられた競争」の深まりの中で、「荒れる中学校」・対教師暴力にも直面し、また社会からの学校・教師批判の矢面にも立たされて、一方で従来の日本的教員文化の機能マヒも生じているが、他方で従来型を越える新しい要素(より本格的に、子ども・父母・地域に結びつく)が生れている。 初年度と最終年度に実施した教員アンケ-トとその分析とは、教師たちの非行観・校則観を問い、またアメリカのパインで(Pines,A.M.)らの開発したBurnout Measure(燃え尽き尺度)を用いて教師たちの疲労蓄積の様相をさぐり、それと教員文化諸要素との関連を調べた。また最終年度の教員アンケ-トでは、「学校五日制」についての教師たちの考えと、今日の階層文化・底辺層問題についての教師たちの態度とをたずねた。教員どうしの結婚が圧倒的に多く(約6割)、日項のつき合いも教員間に限られる傾向の強い彼らが、「教員仲間」を強く形成している動向は確認される。その中で、善意の教師たちが、職場の仲間関係から疎外されて、バ-ンアウトするという統計的傾向が見い出された。また、バ-ンアウト(燃え尽き)係数が、学校五日制に対する見解をはじめ、多くの項目と強い相関を見い出せた。
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[Publications] 久冨 善之: "日本の教員文化ーその実証的研究(1)" 一橋大学研究年報・社会学研究. 29. 3-67 (1992)
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[Publications] 久冨 善之: "日本教員文化ーその実証的研究(2)" 一橋大学研究年報・社会学研究. 30. (1992)
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[Publications] 稲垣 忠彦,久冨 善之 編: "学校の文化・教師の文化 (予定)" 東京大学出版会, 272 (1993)
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[Publications] 久冨 善之 編: "教員文化ーその論理と日本的性格 (予定)" 多賀出版, 380 (1993)