1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01510102
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
黒崎 八洲次良 信州大学, 人文学部・文部教官, 教授 (80002517)
|
Keywords | 集落 / 集落神社 / 神社明細帳 |
Research Abstract |
この研究課題の初年度には下記のことを行った。 1.研究課題に準備として「明治初期の長野県中信地方諸町村の土地と戸口」と「行政町村の集落構成と人口の推移」を予定通りに公表し、集落と集落連合の一つである行政町村の存在形態を課題関連面から明らかにすることを試みた。 2.本年度の主な作業の一つは以下の簿冊類を閲覧し複写することであった。長野県庁所蔵の「(筑摩県引継)筑摩群神社明細帳(1)-(3)」(明治3年)、「信濃國神社明細帳 筑摩群、安曇群」(明治3年)、「神社取調帳 筑摩群、安曇群」(明治11年)、「神社明細帳 西筑摩群、東筑摩群、南安曇群、北安曇群」(明治12年)及び関連文書等であるが、関連文書を除く全ての複写を完了した。 3.引き続いて行っている作業は、(1)集落神社関連の上記文書の中で最も整備され、詳細なものが「神社明細帳」(明治12年)であることが明らかであるから、それを基礎として集落神社のデ-タ・ベ-ス作成の取り掛かっている。項目は箇々の神社で変数は整理番号、所在地(町村・字)、社格、社号、祭伸、由来及び経緯、境内規模と所有形態、主な建造物、境内神社、氏子(信徒)数、財産などである。(2)知見をあげると、まず、上記文書間に記載内容に異同があり、特定町村の「神名記」「草稿」等との間にも同様のことがあるようである。次に、町村による集落神社の属性(諸変数)の偏り、例えば社格、社号や祭神、境内神社の存在形態、境内規模と所有形態尾度においての偏りがあることが発見される。そこからいくつかの変数の組合せによる分布を示せば、それらが興味深い問題を発見させるようである。次年度はこれらの露頭を手がかりとして課題を掘り下げて行きたい。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 黒崎八洲次良: "明治初期の長野県中信地方諸町村の土地と戸口について(1)" 信濃史学会「信濃」. 40-11. 17-45 (1998)
-
[Publications] 黒崎八洲次良: "明治初期の長野県中信地方諸町村の土地と戸口について(2)" 信濃史学会「信濃」. 40-12. 25-48 (1998)
-
[Publications] 黒崎八洲次良: "行政町村の集落構成とその人口の推移" 信州大学人文学部「人文科学論集」. 23. 37-74 (1989)