Research Abstract |
研究課題の第2年度(平成2年度)には下記の事を行った。 1,初年度に続いて長野県庁所蔵の「神社明細帳」とその関連関書を長野県中信地方,東筑摩,西筑摩(現,木曽),南安曇,北安曇の諸郡にわたって閲覧し,複写し補足した。「境内末社以下取調」(明治11年),「無格社員数薄」(明治11年),「信濃國神社,遥拝所,招魂社 明細帳」(明治13年),「信濃國 遥拝所,祖霊社 明細帳」(明治12年),「南北安曇郡寺院明細帳」,「信濃國西筑摩郡寺院明細帳」,「寺院明細帳 東筑摩郡役所」(各明治12年)などがその一部である。 2,もう一つの作業は集落神社のデ-タベ-ス作成である。前年度に引き続いて,個別の神社を,整理番号,所在地,社格,社号,祭神,成立事情とその後の経緯,境内規模,所有形態,主な建造物,氏子数(信徒数),財産等を項目として,作成を一応終了したが,なお,多く補正する必要がある。例えば,同一の祭神が様々に当て字されて紛らわしいので,「日本書紀」等を手がかりとして片仮名に改める必要がある。そのうえ複数の祭神をまつる合殿や,新たに合祭・合祀される(?)境内末社の祭神をいかに取り扱ったらよいか。摂社・末社を如何に位置づけるか。この様な問題を残しながらも,デ-タベ-スを作成した。 3,寺院については,それらと政府,県,市町村,集落との関係を神社のそれと比較する必要を痛感したので,これを取り上げることにした。これもデ-タベ-ス化が進行中である。 4,集落内の諸神社と諸神祠その他の諸祭祀組織と村落構造との関連の観察は,木曽郡楢川村平沢でおこない,その一部を「楢川村の資料からみた御先祖」という主題で報告する予定である。 5,明治前期の集落神社について作成したデ-タベ-スを操作して,これを補正する。その上に,どの様な発見がなされるかは,平成3(最終)年度の課題である。
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