1990 Fiscal Year Annual Research Report
思春期心性に起因する不登校生徒に関わる地域の人的資源の組織化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01510135
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
菊池 龍三郎 茨城大学, 教育学部, 教授 (80007757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河原 清 岩手大学, 教育学部, 助教授 (40168878)
安達 喜美子 茨城大学, 教育学部, 助教授 (50007837)
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Keywords | 登校拒否 / 意味ある他者 / 人間的関わり / 自己評価チェックリスト / 学校適応 / 教師評価 / 地域の人的資源 / 社会的オジ |
Research Abstract |
青少年期の対人関係の発達の観点から考えると、学校不適応つまり登校拒否は、学校における人的関わりを拒否しているという現象であり、いわゆる思春期危機の一つの現象である。このような危機にある青少年達が学校という場における、彼らの人格形成上重要な意味を持つ「意味ある他者」(significant others)である教師との断絶状態にあるとき、それに代わって彼らの生活において影響力を持つ人々が、地域の中やマスメディアを通じて接触する人物やキャラクタ-になっていることを明らかにした。 まず登校拒否に関する自己評価チェックリストの結果と教師評価による学校適応児童・生徒,不適応児童・生徒の評価点との相関を検討した結果、一応かなりの相関が見られたので、教師による学校適応,不適応の評価を受けた児童・生徒を対象に「人間的関わりに関する調査」との関係を検討した。その結果は、学校適応児童・生徒は家庭や地域の人々との人格形成上重要な人間的関わりを持っているにの対し、学校不適応とされた児童・生徒は家庭,学校,地域いずれの人物との関わりが希薄であり、それを補償するものとしてマスメディアを通じて(特に活動性の低い人々)との仮想的な関わりに逃避する傾向があることが明らかになった。 しかしその中でも、家族ではなくて親戚(おじ・おば・いとこ)、また地域の中では「医者・看護婦」「おまわりさん」「近所の店の人」等がいくつかの意味で意味ある他者、重要な他者となっていることが明らかになった。これらの意味ある他者は、親でもなくかといって他人でもない、いわば「社会的オジ」として位置づけられ、さらに社会的オジは四つの類型があり、それぞれの類型が持つ役割に相当する人物が親せきや地域に存在し、これらを組織することが問題解決に有効なことを実証した。
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[Publications] 菊池龍三郎・安達 喜美子・山口 豊一・竹之内 美登里: "不登校生徒に関する教師評価の問題" 茨城大学教育実践研究. 10. (1991)
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[Publications] 菊池 龍三郎・安達 喜美子・山口 豊一・竹之内 美登里: "思春期心性に起因する不登校生徒に関わる地域の人的資源の類型化の試み" 犯罪と非行. 第89号. (1991)
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[Publications] 安達 喜美子・竹之内 美登里: "不登校傾向を持つ児童・生徒の地域における人間的関わりに関する問題" 日本応用心理学会 第58回大会発表論文集. (1991)
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[Publications] 菊池 龍三郎・山口 豊一: "青少年教育における「社会的オジ」の類型化の試みとその組織化の問題について" 日本生涯教育学会年報. 第12号. (1991)