1990 Fiscal Year Annual Research Report
ネパ-ルの都市カ-スト社会における家族構造と婚姻形態の定量的通文化比較研究
Project/Area Number |
01510187
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
山本 勇次 活水女子大学, 文学部, 助教授 (50114806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 右一 長崎大学, 教育学部, 助教授 (60128171)
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Keywords | ネパ-ル / ポカラ / 全戸調査 / デ-タベ-ス / 観光産業就業率 / 富の遍在 / 家族構造 / 婚姻形態 |
Research Abstract |
本デ-タベ-スが保有する潜在的な理論的貢献能力を実証する目的で、カ-スト別「観光産業就業率」の精密な分析を試みた。その結果は、高カ-スト及び低カ-ストの低率並びにマトワリ・カ-ストの著しい高就業率が明瞭になり、ポカラ観光産業の特徴を見亊に実証することが出来た(参照:石森1991の山本論文)。更に、本年度は土地所有デ-タの基礎集計も完成した。その結果、ポカラ居住民における家族別の「富の遍在」を数量的に把握することが可能になった。発展途上国の都市住民における経済的不平等性を実証するデ-タが階無の現在、我々の成果(参照:山本・北村1991)は貴重となるであろう。 家族構造の分析に関しては、tree構造のタイポロジ-による分類化を試行したが、デ-タ数が多量すぎてパソコンでは処理しきれない。この目的の為には大型電算機を使用した「化学構造」の分析例にヒントを得た新しいコンピュ-タ利用方法が必要であろうと思われる。現在の研究環境においては、我々のデ-タベ-ス内で使用されている記述情報を利用した理念的なタイポロジ-を仮説的に構築して、そのタイポロジ-を比較軸として使用した家族構造や婚姻形態に関する通カ-スト比較分析を現在も継続中である。その結果、ネパ-ル(おそらく南アジア)の家族構造・婚姻形態の特徴として、(1)ポリガミ-、(2)通カ-スト結婚、(3)「ジュマ」(宗教的未婚者)、(4)出戻り娘、(5)出稼ぎ者が重要であることは判明しているので、これらを全家族数の中で発生率を把握するとともに、各々の現象にどのようなバリエ-ションがあるのかを正確に把握する作業を現在も継続中である。この結果は、来年度中に最終報告書としてまとめられる筈である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山本 勇次: "「ポカラのカ-スト・ジョ-ク:階級序列の不確定性の視点から」" 『活水論集』. 34. 9-21 (1991)
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[Publications] 山本 勇次・北村 右一: "『ネパ-ル都市カ-スト社会のコンピュ-タ定量解析による通カ-スト比較研究(3):カ-スト別経済構造(文部省科学研究費補助金中間報告)』" 長崎大学教育学部・実践教育研究センタ-, 180 (1991)
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[Publications] 山本 勇次: "「ネパ-ルの観光都市ポカラにおける上級カ-ストの接待様式の変容:脱サンスクリット化とカルチャ-・コンプレックスに関する試論」石森秀三(編)『歓待と敵待』" 国立民族学博物館, 28 (1991)