1989 Fiscal Year Annual Research Report
元化石刻史料実地調査のための文献的情報情報の整理と研究
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01510224
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
池内 功 四国学院大学, 文学部・人文学科, 助教授 (90133553)
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Keywords | 元代石刻史料文献的情報の整理 / 元代石刻史料撰文者別題銘目録 |
Research Abstract |
当初、夏に予定していた中国の河北・山東での石刻史料調査は、中国情勢を考慮して実施せず、夏に一ケ月ほど東洋文庫を中心として地方志類から元代石刻史料に関する情報の収集に努めた。東洋文庫では、私が1987年から1988年にかけて中国の河北・山西地方で収集した石刻史料が地方志類に収録されているか否かを確認し、大部分が未収録史料であることがわかった。東洋文庫所蔵の拓本は元代に関しては貧弱な所蔵量であった。多数の地方志を調査し、33点の地方志については、必要箇所を複写した。備品として購入した宗譜・族譜の目録類、石刻題跡索引、拓片目録などは、目録作りに利用している。作業としては、『石刻史料新編』第1輯〜3輯、筑波大学蔵『中国方志叢書』などから収集した史料を中心に整理を行っている。河北・山東・山西・河南地方については、石刻史料題銘と撰文者のカ-ドを作成し、石刻史料撰文者別題銘目録の作成にとりかかっている。予見のごとく、撰文者と石刻史料の分布について、ある程度関連性がある者があり、撰文者の人的交流の輪郭が浮かびあがってくる可能性が強まっており、更に調査を進めたいなお調査の過程で地方志中の宮績志も当時の地方宮界の動向をさぐる上で役に立つこと、族譜によっては、ある有力一族の宋から元にかけての一族史がたどれることもわかった。平成2年度は、夏に中国での実地調査を予定しているので、七月までに調査予定地方の石刻史料撰文者別石刻題銘目録を完成し、調査の能率向上に資すると共に、地方志類から地図を複写し、調査に役立てたい。
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