1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヨ-ロッパキリスト教文化圏の形成過程における社会と宗教
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01510232
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三浦 弘万 静岡大学, 教養部, 教授 (70042116)
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Keywords | ヨ-ロッパ文化圏の形成 / ゲルマン諸部族 / フランク王国 / カ-ル大帝の勅令 / ザクセン部族法典 |
Research Abstract |
ヨ-ロッパ文化圏の形成は、ギリシァ・ロ-マ古代の社会的文化的伝統、キリスト教、住民のあいだの土俗・民間信仰、とりわけゲルマン諸部族のフランク国家社会の形成と文化圏としての発展の諸要素を内包し、中世初期以来、ヨ-ロッパキリスト教文化圏の形成として始った、とみられる。本研究の目的を、ゲルマン諸部族がどのように社会的文化的に発達し、ロ-マの影響を受けて、どのようにヨ-ロッパ文化圏の発展の緒についたか、その文化圏としての形成過程の解明に置いた。 1.ゲルマン諸部族の定住の時期的地域的発達。 2.諸部族法典の成文化自体、様式・内容にロ-マ的教養をもつ貴族・聖職者の介在を要したこと。 3.フランク王国の発達とキリスト教の伝播、教会・修道院建設および村落・荘園の発達過程とのかかわり。 4.住民のあいだの土俗・民間信仰、キリスト教の霊魂救済と寄進。 5.クロ-ヴィスのキリスト教への改宗、カ-ル大帝の教会建設、同帝の西ロ-マ帝国の戴冠など。 6.カ-ル大帝発布の勅令を適用対策、勅令の翻訳、内容の検討により、以下の成果を得た。同帝発布の「ザクセン地域に関する勅令」は、人びとの異教への復帰や国王と機会に対する民衆の攻撃を厳しく罰するものであったが、次に出された「ザクセン宛ての勅令」は先の勅令の苛酷さを緩和しつつ、それぞれの土地の民衆栽判人を栽判に協力させ、さらに大帝がア-ヘン帝国会議を開催して発布された「レ-クス・サクソヌム」では、ザクセン古来の法を集録しつつ、再興された西ロ-マ帝国の統治を実現しようとするものあった。 以上の検討を通じて、ヨ-ロッパの社会的宗教的文化的特質を、フランク、ザクセン諸部族定住地域について考察した。
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