1990 Fiscal Year Annual Research Report
スキ-マ理論による英語学習者のコミュニケ-ションに関する実証的研究とその応用
Project/Area Number |
01510279
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
天満 美智子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20055271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田近 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 講師 (80188268)
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Keywords | スキ-マ理論 / 読解過程 / トップ・ダウン / ボトム・アップ |
Research Abstract |
本年度の主な研究成果は以下の3点である。すなわち、1.外国語による読解過程では、読者の持つ背景的知識と言語知識との相互作用が最も重要であること、2.文化的スキ-マの違いは読解に大きな影響を与えること、3.学習者がテクストに照らしながら自分のスキ-マを修正していく過程が明らかにされたことである。 1.背景的知識と言語知識の相互作用に関しては、大学生や高校生の被験者に、挿し絵や要約などのテクストの背景となる情報や、文法や語彙といった言語知識を与え、それぞれの読みの過程を比較した結果、大学生では要約や語彙、高校生では挿し絵や文法のヒントが効果的であることがわかった。これらのヒントのうちどれがもっとも読解を助けるかというより、背景的知識と言語的知識を最も適切に相互作用させることが読解を達成する鍵となるのである。 2.文化的スキ-マに関しては、すぐれた読み手と思われる学習者にとっても、自分の生まれ育った文化と異なった文化のスキ-マを必要とするテクストの読みは困難であることがわかった。 3.読解過程におけるスキ-マの修正に関しては、読み手の読解プロセスをテクストの各文ごとに追った結果、すぐれた読み手は読解にとりかかった当初からテクストの背景に関する推測を行い、各文を読み進むにしたがって、かなり大胆な修正を行うことがわかった。 本研究を始めた段階では、スキ-マ研究の成果をlistening comprehension,speaking,writingにも応用する予定であったが、読解を主な領域として研究を始めたため、主要な成果は読解を中心としたものとなった。他の領域の研究成果のまとめは引き続き行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)