1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01520040
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山川 雄巳 関西大学, 法学部, 教授 (60067551)
|
Keywords | 支持 / 政治的支持 / 安定性 / 変動 / 政党 / 勢力 / 均衡 / 政治 |
Research Abstract |
平成2年度は、平成2年2月に衆議院議員総選挙があったため、選挙デ-タを使用して、全国130選挙区について政党勢力の変動を実証的に分析し地盤の安定性・不安定性を検討した。この関連で、選挙区を単位とする政党の勢力関係を表現する文字列(ストリング)を分析することが政党勢力と政党支持者集団の変化の態様と方向をとらえるうえで有益であることを発見した。しかし、デ-タが厖大であるため、いまだ十分な整理ができていないところがあり、成果を論文として発表するにいたっていない。近く結果を公表する予定。 平成2年は、選挙制度の改革が政治日程に登った年である。選挙制度の在り方は、選挙結果に多大の影響を及ぼすため、本研究者としても、選挙制度の検討をせざるをえなかった。その成果が論文「選挙制度の改革について」(平成2年10月)である。将来、これを選挙制度のシミュレ-ション研究へと展開していきたいと考えている。 平成2年12月に発表した論文「政治的支持の構造」は政党支持者集団論の基礎概念である《支持》の概念について理論的に分析したものである。従来「政党支持」は態度ないし状態として捉えられることが多く、また支持の対象との関係があいまいなままであったが、政党と支持者の関係を《支持システム》としてとらえ、支持を行動ないし《力》としてとらえなおそうとしたのである。この角度から、政党権力、より一般的には政治権力の再構成を試みることを予定している。 なお、支持と不支持、支持の強さ、さらに《反対》などの概念には概念的なあいまいさがつきまとっており、これをより明確なものとすることが必要である。上記の論文はそのための一つの試みであるが、今後さらに「支持空間論」ともいうべきものを展開することが必要であると考えている。
|
-
[Publications] 山川 雄巳: "安定・均衡・ホメオスタシス" 関西大学法学論集. 39. 195-242 (1989)
-
[Publications] Katsumi Yamakawa: "Clausewing and Strategic Equilibrium" Kansai University Review of Law and politics. 11. 1-35 (1990)
-
[Publications] 山川 雄巳: "選挙制度の改革について" 関西大学法学論集. 40. 413-449 (1990)
-
[Publications] 山川 雄巳: "政治的支持の構造" 関西大学法学論集. 40. 801-840 (1990)
-
[Publications] 山川 雄巳: "支持の空間分析" 関西大学法学論集. 41. (1991)
-
[Publications] 山川 雄巳: "政党勢力のストリング分析" 関西大学法学論集. 41. (1991)