1989 Fiscal Year Annual Research Report
不変正規検定問題での相似検定の特徴づけと方向をもつ不変検定問題への応用
Project/Area Number |
01530015
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
刈屋 武昭 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70092624)
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Keywords | 不変検定 / 方向をもつ検定問題 / 相似検定 / H-Kアプロ-チ / Hotelling T^2検定 / ベイズ検定 / 群の推移的作用 |
Research Abstract |
変換群に関する不変性の視点から、周知の片側検定問題、H:η=Ovs K:η【greater than or equal】O,η≠O,η=(η_1,…,η_P)を考察した。この問題は、Perlmun(1969)が尤度比検定に関してその非相似性を示したが、意味のある不変で相似検定を発見していない。本研究では、順列群を尺度群に関して不変な相似検定の非存在性を証明した。すなわち、順列群と尺度群不変な相似検定は、対立仮説の方向を無視したHotelling T^2検定に限ることを示した。具体的には、順列群と尺度群のもとでの最大不変量とその分布を導出し、相似でないことを示した。次に、尺度群を含む三角行列群のもとでは不変検定は相似であるが、その群は問題を不変にしないことを示した。このような状況を扱うことができる。一般的理論的枠組としてH-Kアプロ-チを提案している。そこでは、最初に対立仮説Kを不変にする極大群を選択し、次にKを含み、帰無仮説Hに対して推移的に作用する極小群を選択する。それによって不変相似検定を一般的に構築できる。このアプロ-チを上の問題に通用すると、三角行列群かつ順列群を含む行列群が一般線形群となり、一般線形群のもとでの不変検定はHotelling T^2検定に限ることになる。 このことから、順列群・尺度群不変で不変的相似検定は、T^2検定しかなく、T^2検定は対立仮説の方向を無視しているのであるから、上記片側検定問題に対して意味のある不変的相似検定は存在しないことになる。そこで問題となるのは、T^2検定の許容性(amissibility)であるが、この問題は本研究では未解決である。しかし、その非ベイズ性を証明し、非許容的可能性が高いことを示した。
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Research Products
(1 results)