1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01530040
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
柳沢 遊 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20174542)
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Keywords | 在華日本人経営 / 在華居留民経済 / 青島居留民団 / 青島経済 / 大連経済 / 満州進出 |
Research Abstract |
平成1年度にひき続き、平成2年度においても研究の重点は資料収集とその整理・読解に置かれた。まず神戸大学(6月26〜27日)では,『青島実業協会月報』『満蒙実業彙報』などの必要筒所を複写した。次で北海道大学経済学部(8月4〜7日)では、『露満蒙時阪』『海を越えて』などの雑誌記事を閲覧のうえ複写した。山口大学経済学部(8月28〜30日)では、『山東案内』『青島日本商業会議所所報』などの雑誌、文献を部分的に複写した。11月17〜19には、京都大学経済学部に行き、康徳7年版『満州国法人名録』『実業の世界〈大宝庫・満州の現地報告〉』1938年9月号、など数点の資料を複写した。最後に平成3年2月18〜19日に京都大学人文科学研究所において、伊藤武一郎『満州十年史』、天津出版社『北支!!天津事情』など数点の資料を複写した。このほか、古書店から関連古書資料を購入し、11〜12月に学生アルバイトを依頼して資料の整理などを行なった。こうした資料収集の結果、個人営業者の対中国進出という点では、むしろ1910〜20年代の時期を対象とした方が、研究成果をまとめやすいことが判明した。資料収集面では、このほか外務省外交資料館において、青島居留民団に関する外交資料を筆写、複写した。 研究成果については,収集した資料の整理・分析・読了の完了する平成3年夏休みから平成4年にかけて、投究論文の執筆、公刊という形で果たす予定である。収集した資料の性格により、1920年代をも考察対象において、青島経済、大連経済の中における日本人居留民の動向を究明していきたい。なお、関連分野の研究成果として、「日露戦後日本人商人の対『満州』進出」(高橋雄造他『工業技術の発達と社会の変貌』東京農工大学、平成2年,68〜91頁)および「商工組合中央金庫の設立と活動」(伊牟田敏克編著『戦時体制下の金融構造』日本評論社、1991年、379〜414頁)を公刊することができたことを付記する。
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