1989 Fiscal Year Annual Research Report
マン-ロボットシステムにおける作業者の行動と作業能率に関する研究
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01530065
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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Keywords | マン-ロボットシステム / 副次行動 / 労働負担 / 作業能率 / 規制作業 / 単調作業 / サイクルタイム |
Research Abstract |
産業現場の人手不足が進とともに、多くの企業ロボットが導入されている。しかし、FA化が進んだといっても、完全にロボットで生産が行われている工場は、少数の特別な企業のみである。ほとんどの企業では人間とロボットが協働するマン-ロボットシステムが導入され、ロボットに人間が使われているといってもよい状態にある。今年度調査を行った、組立ロボットを導入したベルトコンベア作業を行っているコンパクト製造ラインでは、1ライン9名の女子作業者がロボットと協働していた。まず、女子作業者のフリッカ-値をみると、作業開始(8:00)から10時の10分休憩まではフリッカ-値は上昇し、12時の休憩前に低下が見られた。昼食休憩後にフリッカ-値は大きく上昇し、作業前値以上に上昇するものも少くなかった。午後は15時の休憩前にCFF値は低下するものの、10分の休憩で回復し、作業終了時の16:40分には、ほとんどの作業者のCFF値が作業前値を下廻っていた。この結果をみると、ロボットによる作業規制度が強い規制作業のためか、作業後のフリッカ-値が低下して、単調作業としての特徴が見られるほか、作業後にそれなりの労働負担があることが示唆された。また作業終了後10分後のフリッカ-値をみると上昇例が多く、作業中の大脳機能(覚醒水準)が低下していることもうかがわれた。この結果を裏付けるように、作業者の午後の副次行動が多発しており、作業中の活動水準の維持への努力が認められた。休憩時間と副次行動の関係をみると、休憩時間終了後には、作業者がリフレッシュされたためか、副次行動が減少しており、休憩効果が認められた。次に、作業能率もコンパクトの組立個数とサイクルタイムでみていくと、各日とも1日の作業期(4作業期)において、休憩後1時間から1時間半後に作業能率が上っていく様子が見られており、作業者がロボットと協働して必死に働いている様子がよく分かった。
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Research Products
(1 results)