1989 Fiscal Year Annual Research Report
近代アメリカ企業会計の形成・確立過程をめぐる史的計量分析に関する研究
Project/Area Number |
01530078
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中野 常男 神戸大学, 経営学部, 助教授 (60093522)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 教夫 近畿大学, 商経学部, 助教授 (70148732)
山地 秀俊 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (40127410)
関口 秀子 神戸大学, 経済経営研究所附属経営分析文献センター, 助手 (70031391)
|
Keywords | 会計史 / 簿記 / 会計情報公開 / 連結財務諸表 / 資本主理論 / 持株会社 |
Research Abstract |
19世紀半ば頃から20世紀の前半をカバ-するアメリカ現代会計史を構築・展開すべく、研究の初年度にあたる本年度は、その方法論的統一をはかることを主眼として、研究会を開いた。議論の結果、研究分担者のうちの一人が、19世紀半ば頃から20世紀初頭にかけてのアメリカの中小企業の会計を簿記的側面からたどること、他の一人が19世紀から20世紀への転換期前後の大企業の会計を計算構造と会計情報公開の側面からたどること、もう一人が20世紀初頭からそれ以降の大企業の会計を連結財務諸表の作成と公開という側面からたどるという、研究の分担関係を確認の上、作業を開始した。そして、現在のところ、各自の中間段階での研究成果を草稿の形にとりまとめて持ちより、相互に批判的検討を進めている最中である。 また、これとは別に、比較的長期にわたる現代会計史の流れを企業の実際の財務諸表作成の側面から捕捉すべく、20世紀初頭におけるアメリカ第一の巨大企業であったU.S.スティ-ル(現U.S.X.)社の年次報告書をデ-タベ-ス化する作業も、上記の作業と併わせて進めている。具体的には、本年度の科研費で購入したラップ・トップ型パソコン等を用いて、U.S.スティ-ル社の財務諸表をコンピュ-タに読み込み、デ-タ化して随時に読み出し統計処理できるようなシステムを試作中である。ただし、未だパイロット・テストの域を出ておらず、次年度以降において本格的なシステム化を計画している。この作業についても、共同研究者のうちの一人によって分担されている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 中野常男: "フォスタ-簿記論の研究ーアメリカへの資本主理論的簿記論の移植過程についてー" 国民経済雑誌. 159. 53-77 (1989)
-
[Publications] 高須教夫: "有価証券評価方法の選択基準に関するー考察" 商経論叢. 36. 43-51 (1989)
-
[Publications] 山地秀俊: "アメリカにおける民主的経済社会構造の発現と会計情報公開" 経営行動. 10. (1990)