1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01530079
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
飯岡 透 駒沢大学, 経済学部, 教授 (00052449)
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Keywords | レビュ- / 分析的手続 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、「研究計画調書」に示したように、主として伝統的な財務諸表監査、つまり適正性監査とレビュ-における技術的問題の比較検討にある。そこで、レビュ-における主要な手続とされている分析的手続(analytical procedures)について、アメリカの文献を通じて研究し、「分析的手続の方法」と題する論稿を発表した。 この論稿では、まず、分析的手続を(1)趨勢分析、(2)比率分析、(3)合理性テストの3つの方法に大別して、それぞれの特質について検討を加えた。まず、趨勢分析としては、(イ)代数法、(ロ)期別変動法、(ハ)加重平均法、(ニ)移動平均法、(ホ)統計的時系列分析法について考察した。また比率分析について、(イ)活動比率、(ロ)収益性比率、(ハ)流動性比率、(ニ)支払可能性比率に分けて検討した。さらに合理性テストについては、(イ)単一変数モデル、(ロ)多変数モデルに大別して、ブロッカ-及びウィリンガムの文献を参照しながら考察した。 こうして、この論稿では、分析的手続の特徴として金額、数量及び比率などの数値を用いて、被監査会社の過年度の数値及び他企業の数値との相関関係を調査し、当年度の数値を予測して、監査対象項目の妥当性を検討するものであることを指摘し、分析的手続は監査計画段階における注意指示機能、監査実施段階における代替機能、監査終了直前の段階における財務諸表の合理性の検証機能というように監査の全過程でその機能を果すことができるが、分析的手続により入手できる証拠はあくまでも間接的証拠であり、「取引や勘定残高の細目テスト」に完全に代替させることは困難であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)