1989 Fiscal Year Annual Research Report
完全非線形2階偏微分方程式の粘性解と変分問題の研究
Project/Area Number |
01540131
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 直記 神戸大学, 理学部, 講師 (50030789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 助教授 (60112075)
西尾 真喜子 神戸大学, 理学部, 教授 (80030758)
高山 信毅 神戸大学, 理学部, 助手 (30188099)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
相沢 貞一 神戸大学, 理学部, 教授 (20030760)
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Keywords | 粘性解 / 導関数の評価 / 障害物問題 |
Research Abstract |
微分ゲ-ムや確率制御などの変分問題から導かれる種々の偏微分方程式は、完全非線形2階楕円型偏微分方程式の好適な例となっている。 複数の確率過程のスイッチングを含む微分ゲ-ム問題が、両側制限条件をもつ微分不等式(miniーmax問題)の系と深く関連していることは、研究代表者により、すでに指摘されていた。本年度の研究では、この微分不等式系について、最近導入された新しい弱解の概念である「粘性解」の概念を用いて、従来より一般的は仮定のもとで、粘性解の存在を証明した。すなわち、A^Pv=-Σa^P_<ig>(x)V_<xixj>+Σb^P_i(x)Vxi+C^P(x)V,P=1,2,…,mを一様楕円型の偏微分作用素とし、U^1,…,U^Pを未知関数とする微分不等式の系: U^<P+1>-k≦U^P≦U^<P+1>+K,A^PU^P=f^P(if U^<P+1>-k<U^P<U^<P+1>+K),A^PU^P≦f^P(if U^P=U^<P+1>+K),A^PU^P≧f^P(if U^P=U^<P+1>-k)in Ω,U^P/αΩ=0,P=1,…,m, ただしU^<m+1>=U^1、を考える。近似方程式系 A^PU^P_ε+β_ε(U^P_ε-U^<P+1>_ε-K)-β_ε(U^<P+1>_ε-k-U^P_ε)=f^P in Ω,U^P_ε/αΩ=0 の解U^P_εに対して、従来は、その導関数の評価を得るために、「C^P(x)は十分大きい」と仮定していたが、差分法に由来する新しい評価法を適用することにより、この仮定を除いても近似解の導関数の評価が得られることを証明した。従ってこの近似解の極限関数として、求める粘性解が得られる。 その他、研究分担者により関連する研究成果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ishii and N.Yamada: "A remark on a system of inequalities with bilateral obstacles" Nonlinear Analysis. 13. 1295-1301 (1989)
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[Publications] N.Nagase and M.Nisio: "Optimal controls for stochastic partial differential equations" SIAM.J.Control Optim.(1990)
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[Publications] N.Takayama: "Holonomic Solution of Weisner's Operator" Funkcialaj Ekvacioj. 32. 323-341 (1989)