1989 Fiscal Year Annual Research Report
2次元Brown運動の局所挙動とHansdozff測度
Project/Area Number |
01540202
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
志村 道夫 東邦大学, 理学部, 助教授 (90015868)
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Keywords | 2次元Brown運動 / つづらおり点(meandering point) / Hqusdzff測度 / 錐形領域中の回遊(excursion) / 2次元ランダムウォ-ク / 条件付極限定理 |
Research Abstract |
本年度は“S.J.Taylorの問題"のひとつのvariation-“両側つづらおり点"で非自明なものの存在(予想)の証明の完成(課題(I-i)を中心に進めた。この件についての中間報告を昨年12月の科研費シンポジウム「確率過程とその周辺」において行なった。課題(I-i)についてa)その極限として両側つづらおり点を定めるところの“近似"両側つづらおり点を与え、近似度の増大に伴なって増加する“近似"つづらおり点の生起個数の1次及び2次のモ-メントについて、増大のオ-ダ-の互いの“整合性"より両側つづらおり点の“存在"についての十分条件を得た。b)a)の十分条件のうち1次モ-メントについては完全なものを得た。2次モ-メントについては、その2つの主要項のうちひとつの項についてはほぼ完全なものを得たが、他の項についは現在十分根拠のある発見的評価を進めている。ここでの評価のポイントは錐形領域の辺の近くから出発した2次元Brown運動が、単位時間の間錐形領域内に留まりながら、しかも2つの辺に“限りなく近づく"ところの事象の確率を評価することにある。課題(II-i)について課題(I-i)の考察を手がかりにして本課題解決のきっかけを得るために、Brown運動のpathとHansdozff測度について扱かったいくつかの文献の検討を行なった。その他課題ではないが、筆者の以前の研究で本課題のきっかけとなった“2次元Browm運動の錐形領域中の回遊のランダムウォ-クversionである“錐形領域内に滞在することで条件付けられた2次元ランダムウォ-クの極限定理の結果の再検討を行ない論文化の準備を進めた。
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