1990 Fiscal Year Annual Research Report
2次元Brown運動の局所挙動とHausdorff測度
Project/Area Number |
01540202
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
志村 道夫 東邦大学, 理学部, 助教授 (90015868)
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Keywords | 2次元Brown運動 / 両側平坦点 / 限界挙動 / Hausdorff測度 / 2次元安定過程 |
Research Abstract |
1.課題(I)2次元Brown運動の自明でない両側平坦点(従来のつづらおり点より事情を適切に表わすため呼称をそのように変更した)の存在の証明 初年度、Taylorの問題、すなわちランダムな直線で2次元Brown軌道をロ-カルに2分することができるか、について否定な予想(実際に存在しないことが昨年Khoshnevisanによって示された)とさらに2次元Brown運動の可能な限界挙動が標記の状況で見いだせるであろうとの確信を得た。実際Taylorの問題(存在)に対する筆者のアプロ-チをそのvariaitionである標記の問題へ適当な修正のうえ適用させることが可能であることの概略を示した。本年度は初年度得たアプロ-チの中の発見的な部分やあいまいな部分を埋めて証明を完全なものとし標記の問題を肯定的に解決した。そこで得たわれわれの定理は次のとうりである。"殆どすべての2次元Brown軌道に対して、いくらでもTaylorの問題の設定に近い両側平坦点が存在する" 2.課題(II)限界挙動を示す時点の集合の詳しいHausdorff測度の決定 課題(I)の証明からHausdorff測度関数としてx→+0で1/|logx|^r(r>0)であるものと考えたとき、あるr_0>0でその集合のHausdorff測度が0<r<r_0に対して∞、r>r_0に対して0となるものがあることが予想できた。この予想の証明を引き続き進め、課題(I)で得た結果の拡張を行なうことは今後の課題である。 3.その他課題(III)については具体的に取り組むことが出来なかったが、最近関連する興味深い結果が雑誌に発表されておりその内容の検討を進め筆者の問題意識を深めて行きたい。
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