1989 Fiscal Year Annual Research Report
単色中性子ビ-ムの(n.p)反応による原子核のスピン・アイソスピン励起の研究
Project/Area Number |
01540228
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
織原 彦之丞 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00004432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 慶造 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教授 (00134065)
中川 武美 東北大学, 理学部, 助手 (70004348)
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Keywords | 単色中性子ビ-ム / (n,p)反応 / 原子核のスピン・アイソスピン励起 / β^+-崩壊 |
Research Abstract |
本報告書にかかる研究は、 1.エネルギ-分解能に優れ、強度の充分な単色中性子ビ-ムの発生。 2.中性子誘導反応によって生成された荷電粒子検出器の整備、ならびにデ-タ処理用ソフトウェアの開発。 3.(n,p)反応による原子核のスピン・アイソスピン励起の研究。に大別される。 1.については、これまでの実績もあって順調に開発研究が進行した。成果はすでにNuclear Instruments and Methods誌に公表されたが、バックグラウンドが少なく、またエネルギ-分解能も650KeVと、二次ビ-ムとしてはまずまずの高分解能と云える単色中性子ビ-ムが得られている。ビ-ム強度は、1立体角・1μAあたり5×10^6中性子である。中性子導入核反応研究の第一歩として非弾性散乱を含む中性子散乱の研究を試み、一つの研究をまとめることができたが、(n,p)反応に対しては若干強度の点で不足のところがある。 2.については、核反応生成荷電粒子を磁気分析器で運動量分析する方法をとっているが、磁器分析器の焦点面上で荷電粒子の入射位置を検出するためのワイヤ-カウンタ-の制作調整が今年度の主眼であった。整備は順調に進み、陽子ビ-ム(18MeV)による金の弾性散乱を観測したところ△E=100KeV以下の分解能が得られ、(n.p)反応のための検出系としては充分な性能をもっていることが確認された。 3.については、今年度は理論的な検討を行なった。BrownとWildenthalなどMSUグル-プの波動関数を使い、β^+-崩壊の強度分布を計算し、これを(n,p)反応に応用した場合sd-穀核では30Si(n,p)30A1や26Mg(n,p)26Naなどの反応がきわめて興味深いことがわかった。
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