1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
風間 洋一 東京大学, 教養学部, 助教授 (60144317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一瀬 郁夫 東京大学, 教養学部, 助手 (20159841)
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Keywords | 弦理論 / 共形場理論 / Kac-Moody代数 / Feigin-Fuchs表示 / 高温超伝導 / ハバ-ドモデル / 非線形シグマモデル |
Research Abstract |
弦理論を記述するひとつの強力な方法は、弦の描く2次元世界面上の、共形不変性を持った場の理論として捉えることであるが、近年急速に認識されてきたように、その深い構造を解明するには、様々な共形不変理論及びその近傍の場の理論を包摂的に記述し得る枠組が必要である。そして、ごく最近、今まで知られている有理型共形不変理論のすべてのモデルを、ファイギン-フックスの自由場の系のつくるヒルベルト空間上で統一的に記述できる可能性が見えはじめてきた。本研究代表者(風間)は、大学院生(伊藤)と共に、これ等に一連のモデルの基礎となっているKac-Moody代数系及びそれに随伴するパラフェルミオン系のファイギン-フックス表示の研究を推進し、その中でも最も基本的なSU(n)Kac-Moody系の自由場表示に成功した。 研究分担者(一瀬)は、統計多体系モデルとして、高温超伝導とも関係して現在注目を集めている、ハバ-ドモデルと反強磁性ハイガンベルグモデルを考察し、その長距離での振舞いが、弦理論とも関係の深い、非線形シグマモデルによって有効に記述されることを見い出した。そして、場の理論的手法と数値計算を併用することにより、相構造、転移温度、相関長、反強磁性磁化等を求め、それが、実験結果とよく合うことを示した。さらに、反強磁性ハイゼンベルグモデルの中に、有限濃度でホ-ルを注入した場合を考察し、反強磁性の効果によりホ-ル間に引力が生じ、低温に於いてホ-ルペアの凝縮が起こることを見い出した。これは高温超伝導のメカニズムを探る上で重要である。
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[Publications] K.Ito and Y.Kazama: "Feigin-Fuchs Representations of A^<(1)>_n Affine Lie Algebra and the Associated Parafermionic Algebra" Modern Physics Letters A. (1990)
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[Publications] I.Ichinose and H.Yamamoto: "Finite Temperature CP^<N-1> Model and Long Range Ne^´el Order" Modern Physics Letters A.
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[Publications] I.Ichinose and T.Matsui: "Dynamics ofHoles and Superconductivity in the Hubbard Model" Physical Review B.
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[Publications] H.Yamamoto,I.Ichinose 他2名: "Magnetic Properties of Three-Dimensional Hubbard-Sigma Model" Physical Review B.