1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540237
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 教授 (80108448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 成吉 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (70201118)
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Keywords | 共形不変性 / 超弦理論 / ビランロ代数 / 行列模型 / 二次元重力理論 / 非摂動的効果 / W代数 |
Research Abstract |
超対称弦模型は弦模型に超対称性を与えたもので、重力を含む全ての力と物質を統一する理論になり得ると予想されている。弦理論として、この模型の根本的な原理は2次元世界面上の共形不変性だと考えられる。また共形場の理論は、統計物理学においても2次元物質の臨界現象を理解する鍵となっている。 弦理論は、二次元世界面上の物質場が重力場と相互作用いている理論だともみなすことが出来る。この二次元重力理論に関して昨年大きな発展があった。すなわち、トポロジ-の異なる二次元面を今までは摂動論的に一つずつ計算することしかできなかったが、行列模型という離散的な理論の連続極限を取ることによって、非摂動的に和を取ったもの全体に意味を与えることが出来るようになった。 我々はこの非摂動的な方法を検討し、今までの連続理論との対応を見た。特に興味深いのは、共形場理論の中心電荷が1の場合である。すなわち、一次元の弦がそれに当たる。この場合には一次元方向がコンパクトであるかどうかによって理論が異なり、またコンパクトな場合にはそのコンパクトな空間の半径という量が理論を特徴付けるパラメタ-(モデュライ)となる。この半径に対する依存性を連続理論で具体的に計算し、行列模型の結果と一致することを見つけた。この結果は行列模型に支持を与えるものである。 一方、新たな共形場理論を得たり、その構造の分類に示唆を与えるために高いスピンを持つカレントがある場合の共形場理論、いわゆるW代数を研究した。具体的にはパラフェルミオンの共形場理論を取り上げ、その中の特別なものについては、パラフェルミオンがそうした高いスピンのカレントになっていることがあることを示した。またその場合の代数構造を演算子積の方法を用いて検討した。
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[Publications] N.Sakai and Y.Tanii: "Super WessーZuminoーWitlen Models from Super ChernーSimons Theories" Prog.Theor.Phys.83. 968-990 (1990)
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[Publications] Y.Saitch,N.Sakai and N.Yugami: "Bosonic Constructions of W_3 Algebra" Prog.Theor.Phys.83. 621-637 (1990)
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[Publications] T.Eguchi and S.K.Yang: "N=2 Superconformal Models as Topological Field theories" Mod.Phys.Lett.A. 21. 1693-1701 (1990)