1989 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギ-ニュ-トリノ・エマルジョン反応における終状態二次粒子の研究
Project/Area Number |
01540243
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
牛田 憲行 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70024049)
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Keywords | ニュ-トリノ荷電カレント反応 / Heavy Ionized粒子(Track) / シャワ-粒子 / Black TRACK(粒子) / Grey Track(粒子) / 全ハドロン不変質量W^2 / Bjorkenのx / KNO scaling |
Research Abstract |
FNAL E531実験で得られたニュ-トリノ・エマルジョン荷電カレント反応事象における終状態二次粒子〔シャワ-粒子n_S,核からの破片であるHeavy Ionized粒子Nh〕についての観測解析を行っている。 n_S,N_h分布はハドロン・エマルジョン反応に比べ,N_h=0,N_h=1の事象が40%を占め,N_h=0に明白なピ-クが見られる。ニュ-トリノ反応における重心系の全エネルギ-S又は,全ハドロン質量の二乗(W^2)別の荷電ハドロン(n_S-1)多重度はニュ-トリノ・エマルジョン反応とニュ-トリノ・核子反応とでは,ハドロン・エマルジョンとハドロン・核子の場合と異なり,同一曲線上に分布する。しかし,KNO scalingにすると入射粒子がハドロン,ニュ-トリノとも標的依存性が現われ,核子標的と核標的で異なる曲線なScalする。比較的素過程に近いN_h=0,1の各事象についてKNO分布をみてもやはり核標的の場合の曲線scaleする。 N_hの内でBlack Trackではエネルギ-がMaxwell-Boltzmann分布に合い,kT〜7.8Mevであり,これが核の蒸発過程で生成されたことを示す。一方,Grey Trackは角分布から,前後方の比は2.26で前方(入射方向)に多く放出され,そのエネルギ-分布からkT〜40MeV程度であり,核の蒸発ではない。さらに横向き運動量P_Tの二乗の分布をとると,低エネルギ-陽子弾性散乱の運動量転移分布に近いことがわかった。これらの事からGreyは反跳核子つまり入射ニュ-トリノに突き飛ばされそのエネルギ-を核内に分配する前に,核外に飛び出してしまった核子といえる。興味ある事はこうした直接過程にかかわってわざわざ後方に出るGreyが少なからずあることで,後方放出のGreyの運動量とBjorkenのx,W^2との相関を調べ,核効果の様子を明らかにしつつある。特に後方に1個か,それ以上かで差異の存在を調べている。また,W^2と〈nb〉,〈ng〉との相関は広い範囲にわたってほぼ一定であることが明らかとなった。
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