1990 Fiscal Year Annual Research Report
ミュ-オン触媒核融合素過程のチャネル結合法による理論的研究
Project/Area Number |
01540251
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上村 正康 九州大学, 理学部, 助教授 (10037210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尋 正信 水産大学校, 助教授
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Keywords | ミュ-オン触媒核融合 / ミュ-オン分子 / 分子内核融合 / 複素座標回転法 / ミュ-オン移行反応 / 組替えチャネル結合法 |
Research Abstract |
ミュ-オン分子構造や分子内核融合を解析するためのコ-ドが,(dtμ)分子のみならず(ddμ),(dpμ),(dHeμ),(PHeμ)分子についても完成し,個々の分子の解析に入っている。特に後二者の分子は連続エネルギ-状態に埋った共鳴状態として現出するので,共鳴エネルギ-幅,即ち準位の寿命,を求めるために複素座標回転法の開発とコ-ド作成を行った。この計算によれば(d ^4Heμ)分子の共鳴幅から求める寿命は1×10^<-11>sec,(d ^3Heμ)は2×10^<-12>secであり,高エネルギ-研における実験結果を理解しうるものとなっている。(P ^4Heμ)分子の寿命は3×10^<-13>secであることが予言でき,実験によるチェックが近々予定されている。 (dtμ)分子のエネルギ-はJ=v=1については0.1mevの精度で算出することが期待されているが,この分子は回りの電子によるスクリ-ン効果も重要であることが判明し,精密計算が行われた。また,この電子が原子軌道を描いているとすることの近似が妥当なものであることもチェックされた。 複素座標回転法は共鳴幅についての強力な方法であるが,複素行列の対角化を行う必要があるため,従来ミュ-オン分子研究ではほとんど実用化されていなかったが,上村による組替チャネル結合変分法の開発によって,この実用化が可能になったものであり,この種の問題の解析では,本科研費研究が世界の最前線に立っている。 励起状態間ミュ-オン移行反応(dμ)nl+t→(tμ)nl+dの理論解析の重要性が増したため,高精度を得るため,我々の従来の変分法コ-ドを改造して,連立微積分方程式を解く差分法のコ-ドを作成しつつあったが,本年度にこれを完了した.次年度に具体的計算が行われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masayasu KAMIMURA: "Coupled Rearrangement channel calculations of Muonic Molecules and A=3 Nuclei" Nuclear Physics. A508. 17c-18c (1990)
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[Publications] Yoshihiro Fukushima: "Deuteron Polarization by Muon in (dμ) Atom and (dtμ)Molecule" Proceedings of International Symposium on Muon Catalyzed Fusion.59-61 (1990)
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[Publications] Masayasu Kamimura: "NonーAdiabatic Quantum ThreeーBody Calculation of Excitedーstate Muon Transfer" Muon Catalyzed Fusion. (1991)