1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540259
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 東北大学, 理学部・理学部, 助手 (50004370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂爪 新一 東北大学, 低温センター, 助手 (20005896)
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
酒井 治 東北大学, 理学部, 助教授 (60005957)
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Keywords | 核スピン・オ-ダ- / 核断熱消磁冷却 / スピン・ガラス / 超低温 / SQUZD |
Research Abstract |
純金属Scの核スピン・オ-ダ-を実現するために、我々は二段断熱消磁冷却装置を作った。一段目は銅の核断熱消磁冷却装置で、^0H_e-^4H_e稀釈冷却機の最低温度(約10mK)の部分,混合室に亜鉛の熱スイッチを通してついている。約56モルの銅からなり8Tの超伝導磁石の磁場中にある。この磁場に対しての有効モル数は33モルである。二段目は試料のSc自体である。一段目との間には熱スイッチを通さずに無酸素銅で出来ている熱リンクを通してついている。試料のScは99.9%の純度で約50PPmのFe不純物を含んでいる。形状は直径3mm、長さ5cmの丸棒で、熱リンクには、かしめて付けられている。単結晶Scもアイオワ大学のAmes研究所から購入した。Fe不純物は約30PPMである。 核スピン・オ-ダ-を検出するのに、我々は帯磁率測定で行うこととした。測定はSQUZDを用いた交流ブリッヂZLCタンク回路をマ-ジナル発振器で発振させ、その発振周波数の変化から測定するものとの2種類で行うことにした。2段断熱消磁冷却実験を始める前に、第一段目の核断熱消磁冷却実験を行い、S_cの帯磁率を250μKから10mKの間で帯磁率測定を行った。S_cの帯磁率測定はこれまで0.7K以上の測定があるだけでFe不純物の量によって大きく変化することが報告されている。約6Tの磁場からの断熱消磁でS_cを約250μKまで冷却出来、この温度に2日以上保つことが出来た。これはヒ-ト・リ-クが数nW以下と小さい為と思われる。S_cの帯磁率は約700μKでピ-クを作り、これはFe不純物のスピン、ガラス転移によるものと解釈している。帯磁率で測定したS_cの熱緩和時間は約3時間(250μKで)であった。これは我々のS_cの冷却法が良い事を示している。以上の事から=段断熱消磁でS_cの核スピン・オ-ダ-まで充分冷却出来、Fe不純物も核スピン・オ-ダ-に悪い影響を与えないものと思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木治彦: "Antiferromagvetic Resonance of Hyperfine-Enhanced Nuclear Antiferromagnet HoVo_4" Symp.on Quantum Fluids and salids-1989,Editted by G.G.Ihas and Y Takano,AIP Conference Proceedings. 194. 328-329 (1989)
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[Publications] 増田由美子: "Hyperfine Enhanced Nuclear Magnetism of Cs_2NaHocl_6" J.Low Temp.Phys.75. 159-186 (1989)
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[Publications] 鈴木治彦: "Antiferromagnetic Resonance of Hyperfine Euhanced Nuclear Spins of Ho In HoVO_4" Proceding of 19th International Conference of Low Temperature Physics.
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[Publications] 鈴木治彦: "Experiment ON Nuclear Spin Ordering In Sc Metal" Proceding of 19th International Conference of Low Temperature Physics.