1989 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線分光法による混合原子価希土類元素化合物の4f電子状態の研究
Project/Area Number |
01540264
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中井 俊一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70081429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三石 孟 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00008054)
北村 通英 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90161497)
杉浦 主税 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20006406)
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Keywords | 軟X線分光 / 希土類化合物 / 混合原子価 |
Research Abstract |
1.希土類化合物のX線光電子分光(XPS)の測定 希土類化合物のXPSに現れるサテライトの起源を調べるため、SmSb、PrSb、CeSb、LaSbについて希土類の3dCPS及び配位子のSb4dXPSの測定を高エネルギ-物理学研究所放射光実験施設において行った。その結果、主ピ-クの高結合エネルギ-側に出現する幅広いピ-クについて、従来はプズモン励起によるロスピ-クと解釈されてきていたものが、最近竹茂らによって提案されている、希土類の伝導体の5d電子と、配位子の価電子の5p電子との混成によって生ずる、結合、反結合軌道のうちの反結合軌道によってホ-ルが遮蔽した状態に相当するとのモデルで説明がつくことを実験的に証明することに成功した。 2.希土類化合物のX線L九州スペクトルの測定 CePdSn、CeNiSnは共に近藤効果を示す物質で、結晶構造も同じ物質である。原子価Ce^<3+>とCe^<4+>の価数揺動を示す物質であるが、その価数比を推定するためL_3吸収スペクトルの測定を行った。その結果、両物質とも以前に測定したCeNi_5と類似のスペクトル形状を示し、Ce^<3+>とCe^<4+>の価数比もほぼ同様であることが分かった。 3.電子線エネルギ-損失スペクトロメ-タ-の製作 本科学研究費補助金により半球型静電エネルギ-分析器を購入し、現在超高真空槽に取り付けその調整作業を行っている。スペクトロメ-タ-として必要な各種電源類、電子銃、電子レンズ系の設計製作も行っているところで、本装置の平成2年度完成を目指している。
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