1989 Fiscal Year Annual Research Report
中性子散乱によるスピングラスの相転移とダイナミックスの研究
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01540265
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉沢 英樹 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00174912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満田 節生 東京大学, 物性研究所, 助手 (90183962)
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Keywords | スピングラス / ヘビ-フェルミオン |
Research Abstract |
中性子散乱によりフラストレ-ションをもつ磁性体の相転移を研究してきた。本年はイジング反強磁性体でリエントラントスピングラス相を示す物質Fe_<0.6>Mn_<0.4>TiO_3の磁場中の振舞いを理論の予想する相図および磁化測定の結果とつきあわせてスピン相関の空間的様相をあきらかにする目的で実験を行なった。理論の予想によればこの系は有限磁場下でも反強磁性相およびリエントラントスピングラスと反強磁性の共存相を低磁場領域でしめし高磁場領域では常磁性相からただちに低温相のスピングラス相へ入ると考えられる。これに対して中性子散乱実験によると、対応する領域で磁気ブラッグ反射の散乱強度が著しく減少し、それにかわって磁気散漫散乱が急激に増大することが分かった。またプロファイルの解析により磁場中での急増する磁気散漫散乱は磁気ドメインの散乱に対応すると考えられている関数形すなわちロ-レンツ二重型でよく説明できることがあきらかになった。 またリエントラントスピングラス物質Pd_<-x-y>Fe_xMn_yのパルス中性子による小角散乱実験を行ないリエントラントスピングラス相で磁気相関がベキ乗則でよく記述できその指数が従来知られている値2〜2.6に対し異常に大きく3.0近くであることがわかった。この異常指数の物理的原因については現在検討中である。 さらに立方晶のヘビ-フェルミオン物質CeInCu_2の磁気相関を中性子散乱で調べ、NMRで見られていたアノマリ-がCeとInのdisorderによるフラストレ-トした三角格子に起因するスピングラス相によるものでありこの物質は反強磁性長距離秩序をもたないことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Kadowaki,S.Mitsuda,H.Yoshizawa,L.Rebelsky,S.M.Shapiro,A.Kobori,Y.Onuki,and T.Komatsubara: "Neutron scattering study of antiferromagnetic order in the heavy fermion CelnCu_2" J.Phys.Soc.Jpn.58. 4292-4295 (1989)
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[Publications] H.Kadowaki,H.Yoshizawa,M.Itoh,and I.Yamada: "Neutron scattering study of two-dimensional randomly mixed magnets with competing anisotropies K_2Cu_<1-x>Co_xF_4" J.Phys.Soc.Jpn.59. No.2 (1990)
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[Publications] H.Yoshizawa,S.Mitsuda,H.Mori,T.Kobayashi,H.Sawa,Y.Yamada and J.Akimitsu: "Copper spin correlations in a two-dimensional antiferromagnet Pr_2CuO_<4-δ>" J.Phys.Soc.Jpn.59. No.2 (1990)