1989 Fiscal Year Annual Research Report
長周期イジングスピン系Er-Y-La系合金単結晶の高磁場下中性子回折と磁化測定
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01540272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川野 眞治 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70027457)
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Keywords | 中性子回折 / 強磁場 / 磁化過程 / イジングスピン系 / 三角格子 / 希土類合金 / 変調構造 / 磁気転移 |
Research Abstract |
1.装置について まず、昨年までに製作していた中性子回折用超伝導磁石一式に、本科研費で購入したSI社製精密温度制御器を組み合わせて、測定システムを完成し、その特性の測定を完了した。結果の概要は以下の通りである。 磁場強度 5tesla 有効ヘリウム量 〜15リットル 磁場方向 鉛直方向(散乱ベクトルに垂直) 測定継続時間 〜35hr at 4.2K 磁場均一度 中心から±5mmで0.8% 測定温度域 4.2K〜77K 測定部分体積 20mm高さ×20mmφ 温度精度 ±0.03K 装置の詳しい構成、特性、測定例などについては、本実験所1989年度学術講演会で、すでに公表した。 2.課題について (1)希土類金属を購入して、Er-Y-La合金の各組成の単結晶をいくつか育成した。 (2)希土類合金単結晶Er_<90>Y_5La_5について磁場下で中性子回折を測定した。結果は、以下の通りである。 4.2Kにおいて、磁場を散乱ベクトルに垂直な<100>方向にかけて、b^*-c^*逆格子平面で測定した。この結晶は無磁場では、c面内helical成分、c軸正弦波成分、なおかつc軸ferro成分をもち、全体では反位相型coneとなる。磁場と共に、まず面内helical成分がfan構造を経て強磁性に変化する。H=3Tで完全にhelical成分は消える。c軸正弦波成分は、徐々に強磁性に変化して行くが、H=5Tでは正弦波成分は残ったままでc軸強磁性と共存している。この結果は、1990年度物理学会春の年会において口頭発表の予定である。
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Research Products
(1 results)