1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01540281
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
高重 正明 いわき明星大学, 理工学部, 助教授 (70114527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 正三 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (60015998)
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Keywords | 強誘電体 / 層状酸化物 / 酸化物超伝導 / 構造グラス / ダイポ-ルグラス |
Research Abstract |
プロブスカイト構造の層状酸化物混晶系および立方晶プロブスカイト混晶系の物質合成(焼結体)を行ない、誘電測定を中心とした物性測定を実施した。対象とした系は、以下の通りである。 1.層状酸化物混晶系 Bi_2O_2層の間にプロブスカイト8面体NbO_6を2層含む物質であり、一般式MBi_2Nb_2O_9(但し,M=Sr,Ba,Pb)で表される物質のBiサイトをTlに置換したMBi_<2-x>TlxNb_2O_9等を合成した。室温以上に約600℃までの温度領域での誘電測定を行ない、終末組成(x=O)の強誘電キュリ-点の変化を追跡した。その結果,M=Pbの場合には、確実なキュリ-点の上昇が見出されて、ある程度Tlが置換され得るのではないかとの確証を得ている。最終的な結論を得るために、現在試料作製条件を詳細に制御するとともに,粉末X線パタ-ンを現在解析中である。 2.立方晶ペロブスカイト混晶系 BaTiO_3およびそれとまったく同じ相転移系列を示す物質であるKNbO_3の混晶系を合成した。これは本系の中間組成領域で構造的なガラス状態が出現するかどうかを調べることを目的としているが、窒素温度以下で,顕著な低周波誘電率に分散を見出した。現在,これがガラス的なものを反映しているかどうか解析中であり,また単純結晶による測定を準備中である。
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[Publications] 高重正明,清水文直,鈴木晴彦,沢田正三,山口俊久: "BaTiO_3-KNbO_3系の誘電分散(I)" 日本物理学会分科会,1989年10月鹿児島大学にて口頭発表. 第2分冊. 114 (1989)
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[Publications] 高重正明,清水文直,鈴木晴彦,沢田正三: "BaTiO_3-KNbO_3系の誘電分散(II)" 日本物理学会年会,1990年4月.
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[Publications] 鈴木晴彦,清水文直,高重正明,沢田正三: "Bi系層状酸化物誘電体におけるTl置換効果" 日本物理学会年会,1990年4月.