1989 Fiscal Year Annual Research Report
擬閃亜鉛鉱型構造への軽元素挿入によるバンド構造改質
Project/Area Number |
01540282
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
栗山 一男 法政大学, 工学部, 教授 (20125082)
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Keywords | 直接遷移型バンド構造 / ワイドギャップ化合物半導体 / リチウム三元化合物 / 多結晶薄膜 |
Research Abstract |
擬閃亜鉛鉱型構造を有するLiZnPのバルク単結晶は、タンタルるつぼを用い三元素の直接固化により680℃から100℃/hで徐冷することにより育成した。光吸収により直接遷移型バンド構造(エネルギ-ギャップ:〜2.1eV(室温))を有し、バンドギャップの温度依存制は-3x10^<-4>eV/Kであり、比差熱分析により950℃付近に融点あるいは分解点があることがわかった。バルク結晶を粒状にし、フラッシュ蒸着法で石英ガラス上に薄膜作成を行った。単一相薄膜は400〜440℃の基板温度で40分間熱処理することにより得られた。代表的蒸着速度は約100nm/sであり、膜厚は1000〜1400nmの範囲であった。これらの条件下で作成した薄膜は透明な黄色を呈しており、出発材料であるバルク結晶は透明な赤色を呈している。室温の抵抗率は、薄膜試料とタングステン製プロ-ブ間にインジウムベレットを挟む三重構造から成るオ-ミック電極を用い、10^2Ωcmのオ-ダであることを明らかにした。作成した薄膜は空気中では水酸化しやすい。基板温度が400から440℃まで増加するとともに(111)回折線の強度が増加し、粒塊は<111>方向に配向しやすいことが示唆される。単一相薄膜中の亜鉛と燐濃度の深さ方向の分布は、RBS用いて評価し、試料中の亜鉛と燐原子の代表的原子比は1.06であり、わずかな燐原子の不足が認められた。薄膜試料の透過率はバルク結晶の吸収端を越えて約500nm付近まで観測された。 LiZnN結晶は、予めLiZn合金を作成し、アンモニアガス中で加熱処理を施すことにより微粉末状の結晶を作成した。X線回折法により格子定数a=4.911Åを有するLiZnN単一相で、逆蛍石構造に結晶化することが明らかになった。
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[Publications] K.Kuriyama: "Optical band gap of the filled tetrahedral semiconductor LiZnP" Phys.Rev.B. 37. 7140-7142 (1988)
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[Publications] K.Kuriyama: "Preparation and Characterization of the filled tetragedral semiconductor LiZnP film on quartz" J.Appl.Phys.66. 3945-3947 (1989)
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[Publications] K.Kuriyama: "Crystal Growth and characteriaztion of the filled tetrahedral semiconductor LiZnP" Proceedings of the 9th international Conference on Crystal Growth.