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1989 Fiscal Year Annual Research Report

NbーCu多層薄膜における超伝導近接効果のNMRによる研究

Research Project

Project/Area Number 01540299
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

朝山 邦輔  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小田 祺景  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (50029526)
Keywords超伝導近接効果 / 多層膜 / NMR / 磁場循環法 / 核磁気緩和時間
Research Abstract

RFスパッタリング法で、厚みがそれぞれ200〜260Å,200〜600ÅのNbとCuを交互に50層程度積み重ねた試料をつくり、CuのNMRを行った。Cuのスピン格子緩和時間、T_1の測定は外部磁場ゼロで行う必要があり、そのためパルス磁石による磁場循環法を用いた。測定領域は0.4〜4.2kである。
1/T1は通常の超伝導体と同様に、Tc直下にピ-クを持ち、つづいて指数関数的に減少してgapの存在していることを示す。しかし、gapの大きさは、Tcより評価されるものよりやや小さく、また、T_1は、さらに低温になると常伝導電子の存在を示唆するKarringa型(T_1T=一定)の温度依存性を持つ。この常伝導的な部分の1/T1は、Cuの厚みを増やすと増大するが、0〜100 Oeでは磁場依存性がない。このことにより常伝導的な振舞は、不純物やtrapされたvortexによるものでなく、近接効果に本質的なものと考えられる。
このような異常は、層の厚みが電子の自由行程と同程度でコヒ-レンス長より十分短い場合のMcMillanの理論的予想からはでてこない。我々は層に垂直に走る電子は、Nb層にとびこむためにgapを持つが、層に平行に走る電子は、引力ポレンシャルがないのでgapを持たないと考える。この様なモデルの妥当性を調べるために、Cuに不純物として、Geを1%程度加えた試料や、層面を波うたせた試料等をつくり層に平行方向の自由行程を小さくして、T1を測定した。その結果、常伝導的な部分が減少することがわかり、この考えが正しいものと結論される。
今後はNb位置でのT1の測定を行う必要があり、また、定量的な理論的研究が望まれる。

URL: 

Published: 1993-03-26   Modified: 2016-04-21  

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